神戸港高規格コンテナターミナル起工式
神戸港ポートアイランド第2期地区のコンテナ船専用埠頭の第18バース(略称PC18)を高規格化する事業の起工式が11月11日午前、神戸市中央区港島8丁目14番のコンテナ埠頭で行われた。
PC18の岸壁の水深を現在の15mから16mに深くすることにより、ターミナル全体の一体的運用による効率的運営を図り、アジアの主要港を凌ぐコスト、スピード、サービスを実現するのが狙い。岸壁は2008年度に完成、全体の完成は2011年度になる予定。総事業費は約300億円。
神戸港は外貿貨物の7割強をコンテナによって取り扱っているが、世界の急速なコンテナ船の大型化に乗り遅れ、コンテナ港湾の国際競争力を落としているのが現状。競争力回復のためには10万重量トンの大型船の入稿を可能にする水深16mの岸壁水深が必要で、今回、それを実現しようというものだ。
また、コンテナ取り扱い総料金も国際的に高く、輸入貨物の入港から引き取りまでの所要日数(リードタイム)も2日程度と長い。今回、①港湾コストを3割削減②リードタイムを1日程度に短縮-することを目指す。
ターミナルを高規格化、大規模化し、コンテナ貨物の取り扱いを集中することによって達成を図るもので、「スーパー中枢港湾」の誕生だ。国策的には神戸港と大阪港を一体化し、「阪神港」としてスーパー中枢港湾に指定された。
昔はロッテルダムの次ぐ港だった神戸港も今や30位以下。国内的にも東京や横浜、名古屋にも抜かれて後塵を拝しているのが実態だ。1995年1月の阪神淡路大震災が地位低下に拍車を掛けた。ようやくホップ(復旧)、ステップ(復興)を遂げ、次はジャンプ(飛躍)するとき。この日はジャンプのための「待ちに待った日」(鵜崎功神戸市助役)だった。