6月の台風とヒメシャラ

3本のヒメシャラ

 

今の土地に家を建てた16年前以来、敷地の入り口に立つハナミズキを第1のシンボルツリーとすれば、建物に寄りそう形ですっくと伸びる3本のヒメシャラは第2のシンボルツリーだ。茨城県の田舎に別荘を作った知人の土地に自生していた本当に小さな苗をもらい、それを植えた。今では2階の高さまで成長した。そのうち、もっと高くなるだろう。

植えた当初に比べると、ヒメシャラの幹はかなり太くなったものので、それでもハナミズキにはとても敵わない。植えた3本がしっかり育って、この3本でお互いを支え合うように伸びていった。そしてこの季節になると、小さな白い花を咲かせる。いろんな花があるが、とても気品があって可憐だ。

このヒメシャラが19日の夜は激しく揺れた。台風4号が日本列島を縦断し、甲府から高崎近辺を通って東北に駆け抜けた。烈しい雨と強い風が荒れ狂った。華奢な幹と枝は暴風雨に翻弄され、今にも折れそうだった。

居ても立ってもおられず、2階の物干し台から手を伸ばして、ビニールひもを枝に巻き付け、台と結びつけた。外に出て、3本の幹の周りに同様にビニールひもを回し、鋼鉄製の郵便ポストにくくりつけた。びしょ濡れだった。知人の夫人は現在、がんで闘病中。恩義のある人からもらったヒメシャラを今倒すわけにはいかないと必死だった。

20日(水)朝は、強風がまだ幾分残っていたものの、台風一過で晴れ上がった。ヒメシャラは無事だった。生き延びてくれた。嬉しかった。前夜、びしょ濡れになったせいか、この日の午前中は体中が熱っぽく、鼻水が止まらなかった。

気品があって可憐

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