浅草で「大衆演劇」を見る

 3連休の中日の1月9日、東京・浅草の浅草寺に初詣に出掛けた。今年の初詣は東京大仏、新井薬師、北野神社に次いで4つ目。神社仏閣のご加護やご利益を強く信じているわけではないが、何となく、神仏に祈れば、気持ちが改まるのは確か。申し訳ないが、信仰心で参拝するというよりも、レジャーの一環とでも言うべきか。

 浅草に行く別の目的は大衆演劇。人情劇中心の芝居と歌謡・舞踊ショーの2部構成で、一歩館内に入れば、難しいことは忘れて、3時間ほど、現世離れした世界に浸れる。昨年は浅草大勝館で、橘劇団(座長・橘菊太郎)の新春特別公演を見たが、今年は木馬館。市川千太郎劇団の演じる平成17年を華と飾る初春公演「夢舞台」。なかなかの演技力にはいたく感心。客層に違和感があったものの、どうも病みつきになりそうだ。

 受付で買った月刊情報誌「演劇グラフ」2月号の表紙は市川千太郎座長の大写し。加えて5ページにわたるグラビア。歌舞伎が自前の劇場を持つ大芝居で、伝統と格式を重んじるとすれば、大衆演劇は分かりやすく、庶民的な「小芝居」。劇団数も全国に100以上もあるという。

 正午開演の公演が終わって外に出ると午後3時半すぎ。ぐんと冷え込み、お腹も空いた。とあれば、目指すは「今半別館」しかあるまい。総桧造りの部屋と緑の庭園、それに明治から80年の伝統と独特の味(割り下)が売り物のすき焼の老舗だ。残念ながら、この日は個室は無理で、別館に隣接の「安愚楽亭」(椅子席とカウンター席)に通されたが、熱いすき焼が空腹を満たしていくのは快感。熱燗も2本いただいて、非常に幸せでした。

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