豚のテーマパーク「サイボクハム」

こんなの食べて腸は大丈夫なのかしら

こんなの食べて腸は大丈夫なのかしら

 

鳥居観音からの帰途、圏央道の狭山日高ICから高速に乗ろうとしたら、道路沿いに「サイボクハム」の看板が目に入った。時間もまだ午後2時すぎだったので、立ち寄ることにした。前回、行ったのは約2年前

どうもここは、年間400万人もの人が押し寄せる「豚のテーマパーク」らしい。この日もずいぶん多くの人が来ていた。東京ドーム約3個分の広大な敷地。そこにレストランやミートショップ、カフェテリア、自社製パン工場、ハム・ソーセージ製造工場などがある。すぐそばには温浴施設まで営業している。公園もあって、家族で行けば、1日遊べる。

以前から、なぜサイボクと呼ぶのか疑問だった。会社の名前は「株式会社埼玉種畜牧場」(埼玉県日高市、笹崎静雄社長)。名前から県の施設のように思っていたが、れっきとした民間の食品加工メーカーだった。サイボクハムは通称だ。

サイボクの創業者はフィリピンの激戦地から九死に一生を得て戻った笹崎龍雄氏(故人)。荒廃した国土を目にして、「食こそ人間の根本」と考え、養豚業を始めた。

豚肉の品種改良を自社で手掛け、優秀な種豚をベースに「安全でおいしい肉豚」の生産をスタートさせた。牛肉には但馬牛などの銘柄牛が存在するが、もともと豚の世界では銘柄は存在しなかった。

笹崎氏は豚にも「銘柄豚」の概念を導入し、「近代養豚の父」と呼ばれているという。1997年にはオランダで開催された「国際食肉プロフェショナル競技会」に初めて参加し、金メダルとクリスタル杯を受賞。2010年には欧州国際食品品質競技会には通算14年、ドイツ農業協会(DLG)でも12年連続金メダルを獲得するなど国際的な評価も確立している。

現在の社長は龍雄氏の長男の笹崎静雄氏(ささざき・しずお)だ。田舎の養豚場を、”豚尽くし”で大量の客を呼び込むテーマパークに変貌させた。

サイボク東北牧場(宮城県栗原市)、鳩山牧場(埼玉県鳩山町)、南アルプス牧場(山梨県早川町)に3つの直営牧場を持っているほか、10余のグループ牧場を有している。

豚を馬鹿にしてはならない。たかが豚、されど豚である。

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