価格は変動する

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場がこのところ歴史的な高値を更新している。中国などの経済発展を背景に、需給逼迫要因を先取りしたもので、それにヘッジファンドなどの投機資金が流入したためだ。週明け6月21日(月)の米国産標準油種WTI7月決済物は1バレル=一時59.70ドルと過去最高値を記録した。60ドル台乗せは時間の問題だろう。

 ちょうど20年ほど前、原油相場が10ドルを割り込み、産油国が悲鳴を上げていたのがウソのようである。当時からすれば、信じられないことが眼前で起こっているのだ。石油輸出国機構(OPEC)が価格支配力を持っているかどうかは今や大きな問題ではなく、純粋に、需給と投機が価格押し上げ要因だろう。

 それにしても、価格は動くものである。とてつもなく変動するものであることを身を持って体験している。あれだけ高かった金利がゼロ金利近辺に張り付いて久しい。1オンス=800ドルまで高騰した金塊相場も一時は200ドル台まで落ち込んだ。現在は420ドル台だ。株価や円ドル相場しかりである。

 モノの価格は常に変動するものだ。それをじっくり見据えた上で、いかに先読みをし、それを投資行動なり、生活設計に組み込むかだ。診立ての正確さと的確な対応が巨富を生む。ちょっとした取り組みの差で、決定的な差が生じる大変な時代だ。価格の変動とその背後に潜む要因を冷静に分析する癖を身に付けたい。やはり、先は読めたほうが心静まるのだから。

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