三井越後屋ステーション

 銀座からずっと歩いてきて、三越本店の対面まできてびっくりした。刃物の老舗「木屋」の前のビルに井桁マークの暖簾が掛かり、まるで江戸時代にタイムスリップしたみたいに、「三井越後屋」が出現したからだ。一瞬、わが目を疑った。

 再現されていたのは江戸時代の呉服商「三井越後屋」の概観。三井越後屋は当時も、流行の発信地でもあったとか。よく目を凝らし、確かめてみると、「三井越後屋ステーション」なる暖簾も目に入った。

 「三井越後屋ステーション」(東京都中央区日本橋室町2-2-1三井第三別館1階)は新たな日本橋地区の情報発信拠点として設けられたステーション。2005年10月10日から2006年3月31日までの期間限定で、街づくりの新しい拠点として、日本橋に関する情報を発信しようという狙いのようだ。

 テーマは「伝統と革新」。ステーションの中をゆっくり見学する時間がなかったが、中をのぞいた2月2日の夜はちょうど、「越後屋寄席」と銘打った新作落語が披露されていた。ゆっくり聞きたかったが、すぐ前の生蕎麦「むろまち」で友人がお待ちかね。期間内に再訪したい。

 ステーションを提供しているのは三井不動産。それに何という余裕だろう。一文にもならないのに、これだけの店を再現して、日本橋の宣伝に一役買おうというのは見上げた根性だ。こういう遊びはなかなかできるもんではない。

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