海の日

  「海の日」(7月17日)が「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国家日本の繁栄を願う日」であることは知っていたが、国民の祝日にしてまで祝わなければならない必然性が本当にあるのかについては、合点がいかないのは私1人だろうか。

 逆に、「海の日」を制定し、海に関する啓蒙活動を行わなければならないほど、海に対する国民の関心が低いことは嘆かわしいことのように思われてならない。「海の日」が世界に先駆けて制定されて今年で11年。追随した国があったのかどうか知りたいところだ。

 「海の日の祝典」が行われていたことも初めて知った。中央および地方で開かれているもので、海事関係者の日ごろの功労を表彰することが最大の趣旨だ。農業関係者や林業関係者、漁業関係者の功労式典に過去参加したことがあるが、海事関係者の式典は初めて。

 国土交通省海事関係者功労者等表彰式典の会場は「ホテルオークラ神戸」(神戸市中央区波止場町2-1)。海運、造船、港湾のいわゆる海事産業に携わっている人たちが海事関係者。
祝賀会場を埋め尽くした関係者を見て、神戸では海事関係者が一大勢力を誇っていることを確認した。「かつては業種的に労働者の55%を海事関係で占めていた」時代もあったという。

 表彰者名簿を眺めていると、「中西冷蔵」「上組」「丸武海運」「鹿瀬造船」「日本海洋サービス」「金下建設」などの企業のほか、阪神水先区や内海水先区、さらには大阪湾水先区の各水先人、「関西油槽」、「日本貨物検数協会神戸支部」、川崎重工業、三菱重工業など多種多彩。

 神戸港は震災後、その地位を後退させ、かつてのパワーを失ったことは事実。スーパー中枢港湾プロジェクトを推進し、西日本物流の要衝としての機能強化に躍起だが、果たしてその夢を実現できるのかどうか。

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