善き人のためのソナタ

 気になっていた「善き人のためのソナタ」(2006年、ドイツ作品)を観た。切なく、悲しく、それでいて最後には救われる重厚な内容だった。

 舞台は1984年11月の東ドイツ。ベルリンの壁がまだ残っていた時代だ。壁が崩壊するまでまだ5年も待たなければならない。物語の最後になって、壁の崩壊が現実になる。自由を抑圧されることがいかに重苦しいことなのか。

 壁が崩れるしばらく前に東ドイツの西ベルリンから東ベルリンに渡ったことがある。東ベルリンの街を1人で歩いた。ブランデンブルグ門の東側から西側を眺めた。その門は今はない。自由であり過ぎる国の国民は自由のあり難さが分からない。

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