丹波の朝霧

 実家到着は午前7時前。西宮名塩SAでブログを更新していたので時間を食った。とにかく、中国道から舞鶴道に入ったあたりから急に霧が濃くなった。50キロ走行規制。家の周りも濃い霧に覆われていた。300mほど先は何も見えない。土地の人は「丹波の朝霧」と呼ぶ。

 霧の中を走る場合、頼りになるのは道路際の白線。白線は相当霧が濃くてもくっきりと浮き立つ。サイドミラーでこの白線を切りながら走れば他が見えなくても大丈夫。それでも、怖いのは前方に車が立ち往生しているときだ。目前に車が止まっていて、ギョッとすることもある。

 昔、スイスのジュネーブに向かう途中で、視界ほぼゼロの霧に遭遇して、とても怖い思いをした。他の車も立ち往生して、とにかく前に進めない。車を横に寄せて、じっとしているしかなかった。霧がこんなに怖いものだとは思わなかった。車になぜフォグランプが付いているのかそのときに理解した。

 霧で怖い思いをもう1つ。蔵王を山形県側から宮城県側に降りたとき。火口湖のお釜に向かう途中でひどい霧になった。全く周囲が見えなくなった。そのときも頼りは点線上に置かれた石に塗られた白いペンキ。そのペンキ石を辿って無事お釜に行き着いた。

 ときどき、霧がすっと晴れると、自分の現在地と全体状況が確認できるものの、ものの数秒でまた元の状態に戻り、正直、”遭難”の2文字が脳裏を掠めた。自分が本当に怖い目に遭わないと、なかなかその怖さを実感できないものである。

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