歌舞伎そば

 建て替えられることが決まってから、カメラを構えた観光客やら建物をスケッチする絵描きさんが急増し、歌舞伎座周辺には大勢の人たちが押し寄せている。中心はもちろん、建て替わる前の歌舞伎座で歌舞伎を見ておこうとする人たちで、長い行列ができていた。

 歌舞伎お目当ての人たちの行列の左隣にできているのがもう一つの行列。お土産屋の歌舞伎茶屋の奥に狭い店を構える「歌舞伎そば」の行列だ。大家が引っ越しするのだから、当然、店子のそば屋も越すしかあるまい。

 こちらもほうの行列も長くなるばかり。もうなくなるのではないかと心配したが、店のドアと店内に「移転」の案内が出ていた。歌舞伎座のすぐ後ろに新たな店を確保したようだ。営業再開は5月中旬とか。ひとまず、「ざるかき(揚げ)」をこれからも食べられるめどがついたのが嬉しい。

 しかし、親父さんのあのそばを盛るリズミカルな動きも新しい店に”移転”できるのだろうか。あの狭さだからこそ体現できたのではないか。店が変わると、どうなるのだろう。確認するためにも5月中旬には新しい店にいかなくっちゃ。

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