電気自動車用急速充電器@海老名SA

  ひと足早く年末年始休暇に入った。正月は大体、兵庫・丹波の実家で迎えている。今年は寒波襲来で北陸道はもちろん通行不可、中央道もいつ降るか分からない雲行きだ。そうすると、帰宅ルートの選択肢は東名高速しかなかった。少し心配した。しかし、まだクリスマスデーで、車の量は結構多いものの、渋滞はほとんどなくスムースに走れたのは有り難たかった。

 東名に入って最初のサービスエリアが海老名。巨大戦艦のような建物の前で見つけたのがこれだ。電気自動車用急速充電器。物珍しくてしげしげと立ち止まって眺める人もいた。かく言う私も充電器をこの目で見たのは初めて。見本展示みたいに設置してあった。ある時点から、猛烈に普及し始めるのだろうか。

 電気自動車(Electric Vehicle=EV)用急速充電器(Quick Charger)の下に「TAKAOKA」と記されていた。調べてみると、変圧器や開閉装置など電気機器事業を中核とする「高岳製作所」(本社・東京都中央区明石町)。EV普及のカギを握るのは充電器とされるが、充電インフラの整備の一翼を担うのがこれらしい。

 海老名SAに設置してあったのは2009年4月発売開始の50KW急速充電器。同社HPによると、0→80%充電時の充電時間と充電1回での走行距離は三菱「アイ・ミーブ」、日産「リーフ」ともに30分、120km。富士重「ステラ」は15分、70km。一般駐車場やコンビニ向け小容量の20KW充電器も開発している。

 急速充電器はほかに高砂製作所、ハセテックなどの充電器メーカーが販売。東京電力と自動車メーカー各社が協議会を設置し、急速充電方式の「チャデモプロトコル」(CHAdeMO)」(charge+move)」に規格を統一、国際標準化を狙っているという。

 国際標準化で日本の前に立ちふさがるのはドイツ。欧州仕様に拘り、国際規格の認定に向け、国際機関などで攻勢を掛けているという。お茶を飲んでいる間に充電できることをネーミングに込めた「チャデモ方式」とドイツ方式との違いは、車に必要な電流や電圧を充電器であらかじめ調整するか、受けた車で調整するかの違い。

 充電器に電流を交流から直流に変換する機能が備わっているチャデモ方式は充電器の価格が高くなり、インフラ整備の負担が重くなる恐れがあるものの、車は変換装置を搭載する必要がないため重量は軽くなり、価格も抑えられる。要は負担を誰が負うかだ。規格標準化は今や国際問題である。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.