米国債、初の格下げ

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は5日、米国債の長期格付けを最上位の「AAA」(トリプルA)から初めて「AA+」(ダブルAプラス)に1段階引き下げると発表した。同時に、長期的な格付け見通しを「ネガティブ(弱含み)」に指定し、一段の引き下げの可能性も示唆した。同社が米国債を格下げするのは1941年の格付け制度開始以来初めて。基軸通貨ドルに裏打ちされた世界で最も安全な投資先の信用に疑問符が付けられた格好だ。

オバマ政権と米議会は先に2兆4000億ドルの財政赤字削減(債務上限は2兆1000億ドル引き上げ)で合意し、それを実行する「2011年予算管理法」も2日に成立したばかり。しかし、S&Pは既に7月17日の時点で米国債を「クレジットウオッチ」に指定し、90日以内に格下げする確率が50%以上あると公表。信頼に足る財政再建には今後10年間で4兆ドル程度の財政赤字の圧縮が必要だとの考えも示していた。2兆4000億ドルの削減では不十分と判断し、格下げに踏み切った。

米国債についてはムーディーズ・インベスターズ・サービスとフィッチ・レーティングスが2日、最上位に据え置くと発表していた。S&Pの格下げ決定で、欧米格付け3社の足並みが崩れた。

AAA  フランス、ドイツ、英国
AA+  米国
AA   スペイン
AA- 日本、中国
A+  イタリア

 

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.