米ムーディーズ、日本国債格下げ

米格付け会社ム―ディーズ・インベスターズ・サービスは8月24日、日本長期国債(円建て)の格付けを最上位から3番目の「Aaa」から4番目の「Aa3」に1段階引き下げた。極度に悪化している財政リスクに警鐘を鳴らした。日本政府の財政健全化努力の実行力を疑問視している。5月31日に格付けを引き下げる方向で見直すと発表しており、引き下げは既定路線。先進国では単独最下位だ。

3大格付け会社のうち、米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は今年1月27日に、同じく最上位から3番目の「AA」から4番目の「AA-」に引き下げている。もう1つの米英系のフィッチ・レーティングスはずっと「AA-」(ダブルAマイナス)に据え置いたままだ。3大格付け会社の評価が並んだ。ただフィッチは5月27日、東日本大震災に伴う復旧費用絡みで財政に下押し圧力が掛かっているとして、格付け見通しを「安定的」から「弱含み」に下方修正しており、一段の格下げも考えられる。

ムーディーズの格付け表は以下の通り。

Aaa   米国、英国、仏、独、カナダ
Aa1   香港、ベルギー
Aa2    イタリア、スペイン
Aa3   日本、中国、チリ、サウジアラビア
A1    韓国
A2    ボツワナ

今回の格下げで日本の信用力は中国やサウジと並んだほか、財政危機に直面するイタリアやスペインより低くなった。両国の長期金利が5%台なのに対し、日本は1%台と金利差は歴然。金利面で見る限り、日本の信用力が高く、格付けを疑問視する声も強い。3社はサブプライムローン関連の債券や企業に不合理に高い格付けを与え、リーマン・ショックを招いた責任を批判され、格付け会社そのものに対する信用が揺らいでいるのも事実。しかし、だからと言って、指摘が間違っているわけでもない。日本の財政が抱える問題点を浮き彫りにしている。要は格付けをどう生かすかだ。

 

 

 

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