菅首相、退陣表明

菅首相退陣表明(NHKニュース)

菅直人首相(民主党代表)が26日午後の同党役員会で退陣を表明した。6月2日にいったん退陣表明しておきながら、”高等戦術”で踏ん張ってきたものの、ようやく、”公約”を実行した。自分の退陣に条件を付け、それが実現するまで辞めないという大人らしからぬ戦法が功を奏した形だ。

本人が勝手に条件を付け、辞めてもらうために与野党がお膳立てし、大新聞も首相の条件闘争を無批判に黙認する報道を続けた。永田町と既成メディアの出来レースの胡散臭さばかりが目につき、最近は新聞の政治記事もテレビの政治ニュースも白けた感じで眺めていた。政治記事は常に第1級の扱いをされているが、果たしてどれだけの人が読んでいるのか。社説や論説などになると、読者は極端に減るのではないか。

菅首相が付けた3条件のうち、既に成立した今年度第2次補正予算に加え、この日の参院本会議で赤字国債発行法案、再生エネルギー特別措置法が可決・成立した。どのくらいの審議がされたのだろうか。政策が完全に与野党の政争の道具にされた。

民主党代表選は27日告示され、29日に投票される。菅政権の「主流派」を基盤とする前原誠司前外相と小沢一郎元代表など反主流派の推す海江田万里経済産業相との全面対決になる構図らしい。民主党代表選は事実上首相を選ぶ選挙だが、国民は指をくわえて見るしかないのは理不尽だ。これだけゴタゴタした民主党には愛想を尽かしている国民が圧倒的なのに、そのイライラをぶつける先がない。

政策を実現するためにはポスト獲得に走るのが政界権力闘争の自然の姿。綺麗ごとは言っておれないのだろうが、党内事情だけを争っている姿はとても政権党としての姿ではなく、もういい加減「Too Much」だ。それにしても、海江田支持を決めた小沢一郎氏の旧態依然・古色蒼然型決断は情けない。日本の将来にとって誰が最もふさわしいかという高い視点からの判断とはとても思えない。悲しいほどである。でもこれが日本の民主主義の実態なのにちがいない。

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