『ユーロ危機』

債務危機の震源地(NHKテレビ)

 

NHKスペシャル『ユーロ危機 そのとき日本は』(午後10時)を見た。ユーロ危機が及ぼす影響について、欧州資産で運用している日本の厚生年金基金(大阪府病院)、売り上げ減少に見舞われる日本企業(キャノン)、危機を最大の稼ぎ場として勝負を掛ける英国のヘッジファンド、欧州現地(ギリシャ、イタリア)の4つの視点から追ったものだ。

自らが招いた財政危機に対応できない国家とそれを攻撃するマーケットとの対立を同時進行的に捉えたもので、ユーロ危機の実態を映像と図解の力を借りながら整理・理解するのに役立った。国家と市場の対決はこれまでに何度も繰り返され、常に市場が勝利を収めてきた。今回も同様の展開になっている。真の敗北者は国家というよりも、当事国の国民だ。

リーマン・ショック時はそれでもまだ、米国1国が震源地だった。しかし、今回のユーロ危機は加盟17カ国。まず、ギリシャが血祭りにあげられ、次はイタリア。番組に登場した英ヘッジファンド代表、ルイ・ギャルゴラ氏が3番目に標的として狙っているのはドイツと並ぶユーロ圏の盟主フランス。戦いはもう始まっている。

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