labor/job/work/play

3月8日付日経新聞の経済教室に伊藤元重東大教授が書いている。

「随分昔に聞いた話だが、『働く』という言葉には、3つのタイプがある。『レーバー』『ワーク』『プレー』だ。肉体を使った労働がレ-バー、工場や事務所での仕事はワーク、指揮者や歌手、スポーツ選手らの仕事はプレー」(新聞協会の用語表記に統一)。

「働くこと」はつまり「仕事をすること」だ。しかし、何が仕事で何が遊びなのか、その境目がよく分からない。仕事が遊びで、遊びが仕事ということだってある。この「仕事」もあまりにも漠然としている。

「日本語は人間関係や感情表現の語彙は多いものの、議論に必要な語彙が少なく、区分の認識が遅れている」と指摘される。「働く=仕事をする」と言った場合も、日本語ではその違いがはっきりしないが、英語では使い分けができる単語が存在する。意識的に使い分けしたいときは英語で考えた方が分かりやすい。

labor ( レーバー)=肉体的な骨の折れる仕事。労務、作業。お産の際の陣痛の意味もあり、ニューサンスがよく分かる。「肉体的な苦痛を伴い、なおかつ精神的な苦痛も伴う仕事を意味する」(宗教評論家ひろさちや氏「【連載】ひろさちやの究極の人生相談」)。

job(ジョブ)=会社・他人から依頼された仕事。やるべきこと、任務、義務、責任、大変なこと。work でも報酬を伴う仕事のこと(paid work)をさす。

work(ワーク)=jobより広義の仕事。「肉体的な苦痛は伴うが、精神的には喜びがある仕事」(ひろさちや氏)

play(プレー)=遊び、能力などの働き。演奏。「肉体的苦痛はなく、精神的な喜びのある仕事。音楽家がピアノを弾いたり、画家が絵を描いたりすることをプレーという。必死に練習したり、絵を仕上げようと思えば、それなりの肉体的苦痛も伴うが、達成感といった精神的な喜びがそれを上回る。それでお金を頂戴して、生活しているわけだから、仕事には違いない」(ひろさちや氏)

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