「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想」展

「ほつれ髪の女」(Bunkamura ザ・ミュージアムロビー)

 

喧噪の街・渋谷に「Bunkamura」があるなんて悪い冗談ではないか。確かにそうだが、そんなことは言っておれない。これが日本の今の現実だ。現実とは向き合うしかない。イタリア・ルネサンス文化の頂点に立ったレオナルド・ダ・ヴィンチの「ほつれ髪の女」(1506-08年頃、パルマ国立美術館)は実にいい作品だった。

これが「美の理想」なのかどうかは分からないが、見ていて全くあきない。吸い寄せられそうになる。いつまでも見ていたくなる、そんな絵だ。女性の美にもいろいろあるが、こういう控えめな姿に男は弱い。技巧的なことは分からないが、ポプラの板に鉛白(白色顔料)と数種類の顔料だけで描かれている。タテ24.7cm、ヨコ21cmの小品だ。

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