初めての青色申告

個人事業者「青色申告」専用ソフト

個人事業者「青色申告」専用ソフト

 

フリーランスのジャーナリスト(ライター)は社会的には個人事業主。「1人で仕事をしているスタイルであっても、基本的には自分で事業を行っている人間であり、法的な区分では個人事業主として扱われる。その実態はともかく、フリーライターは事業家なのである」(八岩まどか著『フリーライターになろう!』)

個人事業主として年間で最も重要な行事が確定申告だ。現役時代にはアルバイト原稿料収入(雑所得)もあって確定申告はずっとしてきたが、退職してからは初めて。しかも、事業主としての収入は事業所得。「事業」と聞いただけで、気分が高揚するから不思議だ。

所轄税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出したのは昨年11月30日。簡単な1枚紙だ。「開業」を○で囲むだけだから、「廃業」を○にすれば、廃業届にも早変わりする。個人事業とはこの程度のものか。事業の概要は「原稿執筆・出版、翻訳、講演」。

確定申告の種類は、「青色申告」と「白色申告」の2種類。青色と白色で何が違うのか、これまで考えたこともなかった。白色の最大のメリットは面倒な帳簿付けがない点で、事業規模の大きくない私のような個人事業主はこれで十分だが、どうせやるならと青色に挑戦した(事前届け出が必要)。しかも2014年からは白色でも帳簿作成が義務付けられる。

加えて、青色申告のメリットは節税効果がグンとアップすることだ。事業規模自体が大したことないので、メリットもそれほどでもないのだが、それはこの際無視。青色は帳簿を付ける手間はかかるものの、税金の優遇という恩恵にあずかれるわけだ。青色だと、個人事業主である気分をしっかり味わえる。

問題はやはり帳簿付け。先行する気分に実務が伴わないのだ。青色申告のためには「複式簿記」の知識が必要だし、色んな帳簿も備え付けなければならない。帳簿と聞いただけで、頭が痛くなる。

そこで強い味方となるのが会計ソフト。ビックカメラ新宿店でソリマチ「みんなの青色申告」(個人事業者専用)を買ってきた。うたい文句は①複式簿記が分からなくても、「ラクラク仕訳入力」画面でかんたん入力②「業種別テンプレート」「らくらくエスコート」で、購入したその日からすぐ使えます③必要なデータは自動集計。青色申告決算書もかんたん作成-。

これを読んだだけで、頭痛もどこかに飛んでいく。面倒な作業は既に終わった気分になるから不思議だ。当然のことながら、そうした気分になるのと、実際にそうなるのとは丸で違う。ソフトをパソコンにインストールして、実際に自分の業種にぴったり合った専用画面を作り上げるまでが大変なのだ。1つ1つ確認しながらだから、なおさらだ。それだけでものすごく時間がかかる。

確定申告の提出締め切りは3月15日。直前になって駆け込み的にやろうという心掛けがまずなっていない。事業主としての基本的姿勢ができていない。領収書類の整理だけでも大変だ。作業していると、次から次へと分からない点が出てくる。もう現場で相談しながらやるしかない。

 

 

確定申告申請

確定申告書提出所

 

というわけで、必要書類をカバンに詰めて、所轄の練馬東税務署に駆け付けた。本庁舎3階の相談・申告所。相談員の指示に従って、手書きで作業を開始した。 指示通りやるだけだから、何も理解していないに等しい。とにかく、数字を埋めていく。2時間ほどで何とか完成させ、本庁舎前のプレハブ作りの提出所で チェックを受け、提出した。

1年間かけてやるべきことを2時間でやった。どっと疲れた。事業をやるのも楽ではない。

 

 

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