匠のビアマグ
最近はこのステンレス鋼のカップでビールを飲んでいる。これにビールを注ぐと、カップの中にクリーミーな泡ができ、しかもその泡が長持ちするのだ。冷たいビールがカップに水滴ができるほどに一段と冷たくなり、飲んでいておいしさが格段に増す。
なぜそうなるのかはよく分からないが、泡立ちの良さと関係があるのかもしれない。どれだけきめ細かな泡を作れるかでビールのおいしさが変わってくる。そのためにも注ぎ方が重要だ。
①ビアマグの底の中央を狙い、慎重に注ぐ
②次いでビールを高い位置に上げながら注ぐと、よりきめ細かな泡ができる。ビアマグの半分くらいまで泡ができたら、泡が落ち着くのを待つ
③泡が落ち着いたら、ビアマグの側面を伝わらせて注ぐ
④1回目に作った泡を壊さず、生ビールの炭酸を逃がさないように注ぐ。泡をビアマグの縁まで盛り上げたら完成
泡立ちが良さを支えているのは秀逸な研磨技術。モバイル機器や半導体製造精密装置まで手掛ける金属研磨のスペシャリスト集団「磨き屋シンジケート」(新潟県燕市)がカップの内面をミラー仕上げとヘアラインのコンビネーションで仕上げている。
燕市は和釘生産に端を発した金属加工の産地として江戸時代から栄え、その技術は今も親から子、子から孫へと引き継がれているという。その技術も日々進化している。その一端がこの研磨技術だ。