試写会『インポッシブル』

「生きる希望は、奪えない。」(パンフから)

「生きる希望は、奪えない。」(パンフから)

 

映画:『インポッシブル』(6月14日全国ロードショー)
監督:J・A・バヨナ
出演:ナオミ・ワッツ(主人公マリア)、ユアン・マクレガー
作品:2012年スペイン映画

 

2004年12月、マリア(ナオミ・ワッツ)とヘンリー(ユアン・マクレガー)の夫婦は3人の息子を連れ、タイへバカンスに出掛け、リゾートを楽しんでいた。しかし、クリスマスの翌日、突如スマトラ島沖地震が発生、大津波がリゾート地を襲った。

楽しい思い出になるはずだった場所が一転して被災地に暗転。離ればなれになりつつも、望みを捨てずに生き抜き、最後には再会を果たす。実話を基に作られた作品は家族の強い絆を感動的に描く。

東日本大震災(M9.0)に見舞われた被災地もこんな状態だった。スマトラ地震(M9.0)ではインドネシア・スマトラ島アチェ州を中心に約28万人が死亡した。東日本大震災でも2万人近くが亡くなった。スマトラでは津波の知識がほとんどなく、警報もなかった。東日本では津波の知識もあり、警報も出されたが、大きな被害が出た。

自然災害は防げない。被害をゼロにはできない。しかし、減災努力をし、被害を最少化することはできる。生き抜こうと意思があれば、そして運が味方してくれれば、マリアのように助かることもある。

われわれは日常的にリスクに囲まれている。重要なのはリスクから逃げないことだ。所与のものとしてリスクを受け止め、それを少しでも減らす地道な努力を怠らないことだ。大変な時代だが、そこから逃げられない以上、とことん付き合っていくしかない。見終わったあと、そんなことを考えた。

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