「日本文化」に足りないのは「対話力」

会見する平田オリザ氏

会見する平田オリザ氏

 

会見者:平田オリザ氏(劇作家)
テーマ:「首相の演説と日本の政治」
2013年12月24日@日本記者クラブ

内閣官房参与として鳩山元首相のスピーチライターを務めた平田オリザ氏の登場だった。「オリザ」はラテン語のoryzaの「稲」の意味で、「こどもが食いっぱぐれのないように」と父親が付けた本名だという。

絶叫型ではなく、淡々とした会話とやりとりで進む「静かな演劇」のスタイルを打ち出すとともに、現代口語演劇の作劇術を確立したことでも知られている。白髪が目立っていたが、1962年生まれで、まだ50代前半と若い。

劇団青年団主宰。大阪大学コミュニケーションデザインセンター教授。フランスでもう15年間も活動していて、今も年に2カ月くらいは向こうに滞在しているという。最近はロボットを使ったアンドロイド演劇を手掛けている。演劇に縁がない者にはチンプンカンプンだが。

興味があったのは作家として、どういう言葉を紡ぐのかだ。「日本語の達人」である氏から語られる言葉に関心があった。彼がこの日注目したのは「文明と文化」、「ネーションとステイツ」、「対話と会話」の差異。その違いを明確にすることで、「日本文化」に足りないのは「対話力」であることを指摘した。

■文明と文化

文明とは「たれもが参加できる普遍的なもの・合理的なもの・機能的なもの」をさすのに対し,文化はむしろ不条理なものであり,特定の集団(たとえば民族)においてのみ通用する特殊なもので。他には及ぼしがたい。つまりは普遍的でない(司馬遼太郎『アメリカ素描』)

 

 

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