里山の春便り「うるい」
植物の世界は進化が著しい。とりわけ花などは輸入物が次から次へと園芸店の店頭に並べられ、とても名前を覚えられない。覚える気もないが、遺伝子組み換え植物も入っていることだろう。
いつも行くスーパーの店頭で見たことのない野菜が並んでいた。里山の春便り「うるい」とあった。福島県産。白坂農園(東白川郡鮫川村)で栽培されたものだという。正式名は「オオバギボウシ」。
私が知らないだけで、「うるい」は本州から北海道にかけての山地や草原などの湿り気が」あるところに広く自生していて、古くから山菜として食用にされていたという。
最近は他の山菜同様、促成栽培が進み、一般のスーパーでも見掛けるようになっているらしいが、リヴィン光が丘店で見たのは初めてだった。促成栽培の場合は、もみ殻などで苗を深く被せて軟白栽培されており、軸の白い部分が長くひょろっとした姿をしている。
丹波の家の道ばたにもギボウシが群生しており、薄紫色の花を咲かせる。ギボウシはてっきり観賞用の花だと思っていたら、20種ほどあるギボウシの中には山菜もあり、それが「うるい」と呼ばれているようだ。
うるいが山菜として親しまれていたのは東北地方。近年は徳島県などでも栽培されるようになったという。関西出身の私にはなじみがなかった。
お召し上がり方例が書かれている。
・さっと湯がいて、油(ごま油)炒めで
・酢味噌、ゴマ、マヨネーズ和え
・お吸い物に
ごま和えとごま油炒めでいただいた。味、香りともに癖がなく、しゃきしゃきした食感があり、用途は広そうだ。作る方は大変だが、食べる方は嬉しい。