北朝鮮、「初の水爆実験に成功」と発表

 

水爆実験成功を発表する北朝鮮中央テレビのアナウンサー(NHKテレビ)

水爆実験成功を発表する朝鮮中央テレビのアナウンサー(NHKテレビ)

 

北朝鮮の朝鮮中央テレビは6日正午、初の水素爆弾実験に成功したとの政府声明を発表した。核実験の実施は2013年2月以来4回目。水爆の実験成功は初めてだ。

核実験を行った場所は北朝鮮北東部の咸鏡北道(ハムギョンプクト)・吉州(キルジュ)郡の北方49キロ地点。近くの豊渓里(プンゲリ)には核実験場がある。近くでは午前10時ごろ、人工地震と思われる大きな揺れが観測された。

北朝鮮問題専門家の伊豆見元(いずみ・はじめ)静岡県立大学教授はNHKのニュース番組で、「北朝鮮が水爆の実験を行うのはこれまでの経緯から自然の流れで驚かない。しかし、これまでは外部の脅威に対抗するためなど何らかの理屈・こじつけを作って受け身の形で実験を行ってきたが、今回は声明で『核保有国の隊列に加わった』と強調するなど受け身の姿勢ではなく、前向きの姿勢に転換した。これまでのパターンと異なり、出方が読みにくくなった」と解説した。

北朝鮮は5月に第7回労働党大会を開催する予定で、その前に戦略兵器の戦力向上を誇示し、内外に国威を発揚する狙いがあったとみられる。しかし、水爆実験を行ったことで、国連の制裁が強化されるのは必至。それを見越した上で国際的孤立の道を自ら選んだことは不気味だ。伊豆見教授は「予測不可能性が高まったことで、核の脅威が一段と増したと考えざるをえない」とも述べた。

金正恩(キム・ジョンウン)第一書記の瀬戸際外交は困ったものだ。国内でやってもらう分には一向に構わないが、世界を巻き込まないでほしい。できるものなら、どこか別の地域に引っ越ししたいものだが、それができないのが日本の辛いところだ。

ちなみに、原爆は原子核の核分裂エネルギーを利用する核兵器だが、水爆は核融合エネルギーを利用する。水素を2つ融合させてヘリウムを作る。その際には数千万度、1億度という高温が必要で、それを生み出せるのは原爆しかないという。

水爆を爆発させるためには原爆が必要。水爆の威力は1発で広島・長崎型原爆の100倍以上あるという。自分の要求を通すために、超大型破壊兵器を開発し、それを振り回す大きな子どもが実在するというのが世界の現実だ。「イスラミック・ステート」が核兵器を持ったようなものだ。勘弁してほしい。

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