「経済大国として中国を抜きに活動できない」ドイツ与党会派院内総務

 

会見するカウダー独与党会派院内総務

会見するカウダー独与党会派院内総務

 

ドイツ連邦議会の与党キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)会派の院内総務を務めるフォルカー・カウダー氏が23日、日本記者クラブで会見した。今回の来日は5月に日本で開催される伊勢志摩サミット(G7主要国首脳会議)に向けて日独間の意見調整で、22日には安倍晋三首相とも会談している。ドイツ連邦議会(下院)の院内総務として、メルケル首相の右腕的存在で、1990年から連邦議会議員を務める実力者のようだ。

カウダー氏は「日本はドイツと価値観を共有する国として重要である」との認識を示した上、退潮気味な自然科学、哲学、法律面での若者間の日独交流を強化したいとの考えを表明した。ウクライナや難民、テロ問題などについても見解を述べた。

個人的には最近、ドイツが一段と関係を強化している中国との関係に興味があった。経済関係では同盟とも呼ばれるほど緊密な関係を築いている現状や環境問題での協力の実情を質問した。

カウダー氏は冒頭の発言で、「アジアには日本のほかインドネシアなどさまざまな重要な国があることをきちんと理解しておかなければならない。ヨーロッパが中国のみ注目しているというような印象が生まれるのは好まざることだ」と述べてはいたが、「最重点国」はあって当然。ドイツの場合、それは中国だ。

カウダー氏は、「輸出を盛んに行っている経済大国であるドイツとしても今や中国を抜きに活動することはできない」としながらも、「1つのビジネスパートナーとの依存関係を高めすぎてはならない」とも指摘し、経済関係の多様化を進める考えを強調。日本が良好な経済関係を保っているイランで日本との共同プロジェクトを進めたいと述べた。それ以上聞けなかったが、かなり踏み込んだ発言だったように思う。

 

環境問題について発言するマリールイーズ・デット氏

環境問題について発言するマリールイーズ・デット氏

 

ドイツの中国への環境協力についても聞いたが、同席したマリールイーズ・デット同会派スポークスパーソン(環境・自然保護・原子力安全担当)は「ドイツは石炭火力の発電設備について46%の効率性を実現した技術を持っている。中国で現在稼働しているのは25%。中国はPM2.5対策に取り組んでいる。電気自動車のより大幅な普及を目指すべきだ」と述べるにとどまった。

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