星野リゾート

 

講演する星野リゾート代表の星野佳路氏

講演する星野リゾート代表の星野佳路氏

 

ゲスト:星野佳路(星野リゾート代表)
研究テーマ:チェンジ・メーカーズに聞く⑨
2016年9月26日@日本記者クラブ

 

1904年星野エリア開発着手。創業102年。4代目の同族会社。1991年に父から引き継いだ。1987年にリゾート法ができた。できた結果、供給量が増えた。供給過剰だった。そこで運営だけに特化する会社になろうと決めた。92年だった。ノウハウを貯めるだけで10年掛かった。

2001年。不良債権処理の時代に差し掛かった。オーナーから話が来るのではないかと思っていたが、金融機関から話がきた。5~6年。2005年からゴールドマン・サックスが地方の温泉旅館に投資。これから急速に増えることになった背景がある。

現在35拠点(32施設+3スキー場) 海外1拠点

①界 小型地方温泉旅館(13カ所)

②リゾナーレ 八が岳、トマム2棟、熱海リゾナーレ4カ所

③星のや旅館 星のや軽井沢、星のや京都、星のや竹富島、星のや富士、星のや東京(84室)

15年は外国人旅行客が2.2兆円が2.3兆円になった。日本人は旅行参加率は20代女性が減っていない。25.5兆円。5番目に大きな産業規模だ。それが地方の雇用に貢献できていないのか。構造的問題。3連休、ゴールデンウィーク、お盆、年末年始と休みが重なっている。100日。265日は空いている。この空いている日にしか予約しようとしない。

ホテル運営業界における我が社は弱小だ。世界で戦っている。マリオット、ヒルトン、ハイアット、イツカッド、フォーシーズンズと戦っている。マリオットは軽井沢に作った。マリオットは箱根に作った。リッツカールトンは沖縄にもあるし、京都にもある。フォーシーズンズは京都にも参入してきている。世界の都市から入っている大手が温泉地から観光地まで入ってきている。

日本のわが社はこういうところを向け打たなければならない。そういう危機感がある。こういうところと戦って行くには規模が必要だ。規模が劣っていては観光地や温泉地でも負ける。そういう意味で規模が必要だ。彼らと同じになるためには権限を接客しているスタッフに与えられることができるかどうか。

本社がサービススタンダートを決めて機械的に統一を図っているのが米系ホテルの特徴だが、私たちはそれをローカルにしていく。各地域に住んで、各地域の魅力を理解して接客のスタッフが開発し掘り起こし提案していく。

海外戦略。数を増やしていくのは海外で星野を選んでくれる機械。おもてなしというのはサービスとどう違うのか。顧客のニーズの先回りしている、顧客にニーズに応える、ニーズを先回りしているといわれるが、その話をした途端にハイアットやヒルトンやマリオットの担当者はそんなんだったら自分たちが最も得意だと言う。そんなことを言っているから日本のホテルはダメなんだと言う。

彼らは、日本が言っている気が利いた、先回りできるといったホテルの運営については自分たちのほうがはるかに優秀だと思っている。つまり、その土俵で戦っていると日本のおもてなしというのは勝てないということ。厳に東京のホテル見て頂いても、カールハイアットやマンダリンやマンダリンホテルのほうが稼働率や単価も高い。東京で勝っているとみている。

真のおもてなしということで提供していくためには基本的にニーズにないものを提供していくことだ。これはアメリカが苦手としている。顧客が気付いていない潜在的ニーズ。それは自分たちのこだわりからくるんですよ。彼らはお客様の聞いて、お客様のニーズにあった、早く正確に提供するということだ。その土俵で戦うのは私たちは放棄していて、私たちのこだわりを提供していこう。こだわりを提供していくことでお客は十分に感動してくれる。

そのニッチなアプローチでサービスを差別化し、私なりのおもてなしを提供していく。

 

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.