老化の原因「糖化」は人間の体内でも起きている

 

 

第55回東京大学農学部公開セミナーが17日、弥生講堂一条ホールで開かれた。年2回開催されているもので、今回も出掛けた。

応用生命化学専攻の内田浩二教授は自分たちの身体の中でできる本質的に避けられない毒について、こうしたものを食べれば撃退できる現象あるいは反応があることを学んでもらいたいと語った。

・昔は水を探していた。人類の希望であり、夢であり、何とかしたいものがあった。いまなら食べ物だ。

・健康は必ず衰える。ノーベル賞を取っても衰える。病気というのはゼロからマイナスになること。薬は元に戻す。食は老いることを何とか引き留めること。衰える角度を元に戻すことが食品でできるかもしれない。食によって何とか健康を守る。あるいは病気に奈ならない身体づくりを行う。ひょっとして可能かもしれない。

・薬は明快だが、食はそうもいかない。実感がない。本当に効いているかは分からない。それがゆえに怪しい眉唾も起きてしまう。実感のないものとバランスをどうとるか。

・DNA障害が起こっている。身体が傷つけられている。修復作業も起こって、バランスを取っている。それが何度も起こって坂道を下ってしまうことが起きてしまう。加齢とともに起きる。生活の中で起きる。

・身体に入ってくるのは化学物質。たばこ吸っても、食べても、代謝で身体の中でできてしまう。一種のものが有害な毒(さび)をつくる。あるいはさびとして蓄積してしまう。われわれは化学物質に暴露されている。

・食べ物を通じて有毒物質が身体に入ってくる。ダイオキシンもそう。個人的を治すことはできるかもしれないが、癌にならないようにはならない。

・癌はどうしたら予防できるか。食と運動は主な手段なのか。いまのところそうだ。

 

ブドウ糖とアミノ酸を混ぜるだけで褐色の生成物

 

・スポーツ系雑誌「ターザン」に出てくる反応「酸化・糖化・炎症」のうち「酸化と糖化」について話をしたい。

・酸化は酸素が関係する。鉄がさびつく、銅がさびつく。物質が酸素と化合することを酸化という。糖化は糖が何かに反応してしまう。色が付いたものはほとんどが糖化反応。卵焼き、焼き肉、醤油、ソースも。これらは糖化反応だ。そういった反応もさびのできる反応に関係している。酸化が「身体のサビ」と言われるのに対し、糖化は「身体のコゲ」とも呼ばれている

(糖化がよく分からないので、調べていたら、オムロンヘルスケアのサイトで老化の原因「糖化」を防止しよう)を見つけた。内田教授の説明よりもわかりやすいので参考にした。

・うどんはデンプン。デンプンが壊れるとブドウ糖。糖質を食べたら全部ブドウ糖として身体の中に入ってくる。酸素もブドウ糖も生きるためにはないといけない。この必要不可欠なものがなぜ「さび」というネガティブな作用をしてしまうのか。

・酸素もブドウ糖も非常に使い勝手がよく、効率よくエネルギーをつくるための代償(引き換え)として身体が衰えることが起きてしまう。こういう風に理解してもらうといいんじゃないか。身体が衰える部分に関係してくる物質でもある。

・便利になるとその分不便になる。原子力だって便利だが、その分リスクという代償を払う。

・ブドウ糖やアミノ酸も加熱するといい匂いがする。食品レベルの話だ。なくてはならない反応だ。、一方食品で酸化反応はほとんどが身体の中で有害になる。

・脂質の生分は必ず痛むものだ。必ず酸化する。脱酸素剤が入っている。酸素が有害な場合。ラップする。

・糖化反応(メイラード反応)。パンも焼くと焦げる。生のコーヒー豆も焙煎すると褐色になる。糖化反応が起きている。卵焼きの場合も砂糖を入れると着色の度合いが違う。砂糖が糖質で卵の中にあるタンパク質やアミノ酸と反応して焦げ付き方が違う。

・ブドウ糖+アミノ酸を加熱すると褐色生成物ができる。摩訶不思議な反応だ。簡単で身の周りにある糖化反応だ。なぜこれを高校で教えないのか。中身が非常に複雑だからだ。

・ブドウ糖は安定的だが、反応しやすい。アミノ酸もそう。加熱による促進させると褐色生成物ができる。食品の話だ。

・食品だと思われていたが、数十年ほど前にどうやら生体の中で起きることが分かってきた。われわれの身体をつくっているタンパク質がアミノ酸の代わりになると、構造が同じなので、タンパク質の中で糖化反応が起きてしまう。それが「さび」と表現できる。

 

加齢・疾病と糖化反応

 

・人間のレンズがタンパクでこういう着色反応が出る。糖化反応が起きている。病気になるともっと進む。24歳→65歳→80歳→80歳(緑内障)

・Hba1c(酸素を運搬する重要なタンパク質)にブドウ糖(グルコース)がひっついてしまう。何%以上になると糖尿病の危険がありますよと血糖マーカーになっている。糖化反応が起きている。元をただすと糖化反応が重要な動脈硬化に進展するファクターになっている。糖化反応は食べ物だけではなくて人の身体の中でも起きる反応でもあり、しかも病気につながる重要な反応の1つになっている。恐ろしい反応の1つだ。

・酸化反応。アルデヒド(脂肪酸、アクロレイン)などの有害物質の生成が怖い。非常に刺激性が強く、反応性が高い。たばこの煙や排気ガスに含まれている。ほとんどの食用油から検出されている。油酔いといわれる現象の原因も1つはアクロレインだろう。このように身体の中でできてします。

・癌組織からもアクロレインが出ている。脂質からできている。脳梗塞評価にもアクロレインが使われている。重要な分子。

 

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

会見メモ

Previous article

消費税を巡る諸問題