新型コロナ感染者の生の声を初めて聞いた=富川悠太アナ「報道ステーション」復帰に当たって

 

富川悠太アナウンサーが番組復帰

 

■感染者の生の声を初めて聞く

 

新型コロナウイルスに感染し療養していたテレビ朝日の富川悠太アナウンサー(43)が4日夜、メインキャスターを務める番組「報道ステーション」に約2カ月ぶりに復帰した。

同アナは番組で感染予防を呼び掛けていたにもかかわらず、番組内で合計5人の感染者を出したことをお詫びしたが、本当に新型コロナに感染した人の生の声が全く聞けない中での感染者の声であり、非常に貴重だった。

胸が苦しくなるのは本人にとって何とも辛い。トイレに歩いて行くだけでも結構苦しいのは何ともやるせない。不整脈で胸が苦しいのに似ている。

発症前後の行動

 

■4月3日と4日に38度台の発熱

 

富川アナが発症したのは3月20日(金)。会社以外は体育館で知人とバドミントンをしたが、ロッカールームなどは使用せず気を付けていたという。また自宅と会社の往復以外はどこにも立ち寄らず、通勤はタクシーを利用した。

最初に体調の異変を感じたのは4月3日の朝のことだった。起床した際にかなり汗をかいていたので熱を測ると38度だった。前日の夜、入浴中にうたたねをしてしまったので風邪を引いたのかもしてないと思って1時間後に検温すると36度台の平熱に下がっていた。体調は普段と変わらなかった。

その日の夜も寝汗をかいていたので、4日未明に検温したところ38度台に上がっていたが、朝には平熱に下がっていた。

 

発熱から陽性判定までの経緯

 

■「倦怠感も息苦しさもない」

 

その後も体調に変化はなかったが、念のため都の相談窓口に電話で相談したところ、「その症状だけでは感染と判断できない。もう少し様子を見て下さい」と言われた。

この日の夜にチーフプロデューサーに「倦怠感も息苦しさもないが、ちょっと熱っぽい。明日、様子を見て受診を考える」との趣旨のラインを送った。ただ翌日の5日にかけては熱もなく体調も普段通りだったため病院には行かず、6日の月曜日も平熱で、通常通り出社した。

7日の放送中にたんがからむことがあったが、これまでにも経験があり、それほど重く受け止めてはいなかった。帰宅した後、少し疲れた感じがあったが、熱もなく、息苦しさもなかった。

 

・・・

 

■38度台の高熱を2度も発したことを無視した番組出演が判断の間違い

 

8日の水曜も平熱だったが、会社の階段を上がっているときにいつもよりも息が切れる感じがした。9日の木曜も熱が上がることもなかったが、昼頃にチーフプロデューサーに「階段を上がるだけで息が上がってしまう。倦怠感や味覚、嗅覚の異常等もなく、どう判断してよいものか。今日の放送を乗り越えれば休むこともできますし」とLineでメッセージを送ったところ、体温を尋ねられたので平熱であることを伝え番組出演をした。

放送後にプロデューサーや部長と相談し、翌日に病院に行くことを決めて帰宅した。

振り替えってみると、短時間とはいえ2日で2度も38度台に熱が上がっていたが、正確に報告せずに番組への出演を続けてしまった。この判断が間違っていたと思う。

感染が確認されたチーフプロデューサーとは番組内容の相談など近い距離で会話する機会が他の人よりも多くあった。ただお互いにマスクを付けていた記憶がある。

一方で、放送直前の打ち合わせでは出演前の私はマスクを付けない状態で感染が確認されたスタッフ2人、プロデューサーと総合演出と近い距離で打ち合わせをしていた。

詳しい感染経路は分かっていないが、今から考えるとこうした場で感染リスクが高くなっていた可能性がある。

 

入院中の症状と経過

 

■「トイレに歩くだけで息が切れる状態が続く」

 

10日に肺炎と診断され入院。11日にPCR検査で陽性と判断された。入院3日目の4月12日の夜、ベッドからのリポート。「少しトイレなどに歩いただけで息が切れるような状態が続いています」とコメントしている。

血液の中の酸素の量も測定していて90を切ると気を付けなければいけない。私のは96です。朝、昼、夜に看護師がきてくれます。大変な作業には頭が下がる思いです。

病室を移りました。病室を移るだけで外の景色を見ることができてそれだけで違うなという印象を受けた。

 

反省点

 

■反省点も

 

4月10日に入院し、21日に退院。その後は自宅での療養を続けてきた。初心に戻り、ニュースの現場を取材したい。今回の感染について私および番組としての反省点をまとめた。

▶短時間でも発熱を軽視しない(休ませることができなかった)

▶正確な体調把握と判断の遅れ(5人の症状はバラバラだった)

▶”密”な環境を無くすことできず(距離をとり、接触を減らすことが何よりも重要)

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