新型コロナウイルスワクチン第2回接種が終わって=神田の「ラドリオ」でナポリタンを食べる

 

ついに2回目を接種したワクチン

 

■自治体、接種券を調整

 

新型コロナウイルスワクチンの第2回目接種を大手町の自衛隊大規模会場で行った。予約は午前10時だったが、10分前に現着。早速「青」「赤」「黄」などのファイル別に並べさせられ、予診票確認→予診(医師の問診)→接種とあっという間に進行。気が付いたら1時間足らずで終わっていた。

ワクチンへの対応は様々だ。自分は「どうせ打たなければならないものなら早く打ちたい」と思い、自衛隊の大規模会場を選択した。世代別に差があるようだから、「どこが早い、遅いは言えない」が、みんな自分に則って考えるから差が出てくるのはやむを得ない。

各自治体はワクチン確保の問題もあって、接種券の配布について郵送の調整をしているようだ。現物の接種券がなければ予約はできない。その接種券の郵送を自治体が調整しているのだ。接種券がなければ接種できないのはつらい。

接種券は実に立派なものだ。こんなに完全なものでなくても大丈夫な気がするが、これが日本人の「仕事」なのかもしれない。デザインを決め、レイアウトを確定し、印刷に回さなければならない。政府との調整などかなり時間がかかる。1日、2日で済むわけではない。

短時間のうちにこれだけの接種券を創ったのはノーベル賞ものだが、これを創るまでに何人の人が命を落としたのか。少なからぬ人たちが命を早めたものだ。要は不完全でもいいからもっと早く届くようにすべきではないか。

政府が6月28日公表した新型コロナウイルスワクチンの接種実績によると、2回目を終えた人が27日までに約1300万人となり、国内総人口の1割を超えた。

65歳以上の高齢者は22.5%が2回の接種を済ませた.米モデルナ製のワクチンは間隔を空けて2回接種する。政府は7月末までに高齢者の接種を完了し、10~11月までに希望するすべての国民への接種を終える目標を掲げている。

東京都は30日、新たに714人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。700人を超えたのは5月26日以来。新規感染者の直近1週間平均は508.4人で、前週より20.3%増えた。

 

黄金虫を擬人化した銅像「豊展観守像」(山下恒雄作)

 

■神田で見つけた黄金虫を擬人化したモニュメント

 

ワクチン接種も終わったのでさて帰ろうかと思った。そのまま帰るのも芸がない。ジムへ行こうかと思ったが、やはり「接種当日の激しい運動は控えてください」のアドバイスに従うことにした。

それで大手町へは戻らず神保町まで歩くことにした。大手町駅までもかなり距離があるし、結構疲れる。どうせ神保町を通るのだからと考え、足を首都高の下を神田錦町に向けた。大手町の近代的なビル群から庶民的な店舗もある神田に足を踏み入れると雰囲気ががらり変わるのも面白い。

首都高を超え、神田橋公園近くに不思議なものを見掛けた。10年程前、時間がなくてこの近くの神田運転免許更新センター(千代田区内神田1)で免許の更新をしたことがあって、その時にも同じ光景を眺めたことを思い出した。

この金ピカでちょっとユニークなモニュメントはどうやら「黄金虫」を擬人化した銅像のようだ。金銅鎚起と名付けられている。金鎚(かなづち)で打って、起こした銅像のようだ。銅像の下に次のような碑文が刻み込まれている。

「この彫刻は、活気とやすらぎ・教育と文化の町として知られる千代田区に住む人々の豊かさと発展する町を観守する姿を、こがね虫と人間の擬人化により、造形表現をして製作されたものであり、『彫刻のある町・千代田区』として潤いと個性のある歴史と文化を重視した新しいまちづくりを願う久保金司氏より、神田の魅力を記録した写真集、神田っ子の昭和史『粋と絆』の浄財をもとに本区に寄贈されたものです」(平成3年9月 千代田区)と書かれている。

ちなみに山下恒雄氏は東京芸術大学教授。

 

ラドリオ発見

 

 

三省堂本店のすぐ裏手の路地裏にある正直壊れそうな建物だった。神保町の創業時の趣そのままの老舗シャンソン喫茶「ラドリオ」。午前11時45分オープンだったので、三省堂で時間をつぶして開店と同時に入店した。

 

ナポリタン

 

■風前の灯火になった日本の老舗喫茶店

 

この店はメニューに「日本で初めてウィンナーコーヒーを出したのがラドリオです」とうたっている。600円。17時までのランチセットはラドリオ特製チキンカレーかナポリタンのどちらか選ぶコース。大体の人がナポリタンを選んでいる。1000円。

「店内は神保町の喫茶店らしく薄暗さ満点だが、なかは広々としていて、私も皮切りだったので奥の5人席に座った。ナポリタンにはサラダとスープが付いている。ナポリタンは普通の乾麺でやや固めのゆで加減。軽食にちょうどよいナポリタンだった。

店内はシャンソンが流れ、タイムスリップしたかのような、緩やかに時間が流れているレトロ空間。シャンソン喫茶やロック喫茶、ジャズ喫茶などが昔は多かった。私の生まれた翌年にこの店は誕生している。

 

ウィンナーコーヒー

 

■山のような生クリームの乗ったウィンナーコーヒー最高!

 

ウィンナーコーヒーが出てきてびっくりした。こんもりした山のようなホイップクリームが最高だった。しかも固めで最後まで生クリームが溶けないのがいい。

昔、OPEC(石油輸出国機構)の取材でウィーンやジュネーブには何度も行った。ホテルでウィンナーコーヒーを飲んだこともある。しかし、こんなに大きくはなかった。オーストリア発祥の飲み方の1つで、「ウィーン風で」という意味らしい。

ラドリオとはスペイン語で「レンガ」の意味。建物もレンガ造りで、ノスタルジアでありつつ、古びた雰囲気というより壊れるのではないかとちょっと心配した。しかしこういう喫茶店が世の中から消えつつあるのも確かだ。

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