一夜明けてみると自民「議席減も単独安定多数」確保で政権基盤固め=第49回衆院選

 

自公で過半数確実な情勢(NHK)

 

■滑り出しは悪かったが・・・

 

第49回衆院選は10月31日、投開票された。自民党は公示前の276議席から減らし、単独過半数の233議席に届くか微妙な情勢。ただ公明党と合わせれば過半数を確保し、自公政権は続く見通しだ。

野党共闘を進めた立憲民主党は公示前から上積みし、共闘と一線を画した日本維新の会は公示前から大きく伸ばす勢いだ。

岸田文雄首相(自民党総裁)は31日夜のテレビ番組で「自公で過半数なら政権選択選挙において大変貴重な信任をいただいた」との認識を示した。自民党の議席減については「しっかり受け止める」と述べた。

立民の枝野幸男代表はテレビ番組で、野党共闘について「一定の効果はあった。政権交代に向けて大変重要だと再確認できた」と述べた。

衆院選は2017年10月以来4年ぶり。465議席(小選挙区289,比例代表176)を争った。新型コロナウイルス下で初の大型国政選挙で、コロナ対策や経済立て直しが争点になった。過去4年間に国政を担った安倍、菅両政権の評価も問われた。

立候補者は現行制度で最少の1051人。投開票が現行憲法下で初めて衆院の任期満了日(10月21日)の後にずれ込んだ。内閣発足から衆院解散までは10日間、解散から投開票までは17日間でともに戦後最短だった。

 

■情勢は大きく動く

 

「とにかく自民は勝った」ということで選挙結果を速報しただけで1日午前1時ごろに寝に就いたが、朝目覚めてみると、情勢は大きく動いていた。自民は単独で安定確保し、立民は議席を減らしていた。これに比べ維新は躍進していた。

時事通信は10時31日23時40分に「自民、過半数微妙」を配信したが、その後同記事は削除(取り下げ)されていた。事実と異なるとの判断だ。選挙報道は難しいようだ。

小選挙区では候補者を記名投票するが、厄介なのが比例代表では復活当選する仕組みがあることだ。今回も自民党の甘利明幹事長が小選挙区で敗北したが、南関東ブロックで重複立候補しており救済された。この責任を取って甘利幹事長は辞意を表明しており、首相が判断する見通しだ。

立民の小沢一郎候補も岩手3区の小選挙区で自民の藤原崇氏に敗北した。小沢氏も比例代表で復活当選した。この制度は小沢氏が作ったらしいが、小選挙区で落選しておきながら比例代表で復活当選するおかしな制度だ。

東京8区から立候補した自民党前職の石原伸晃元幹事長が落選した。石原氏は重複立候補した比例東京ブロックでも復活できなかった。

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