人手不足、業務効率化で飲食業界中心に急速に普及する「配膳ロボット」=わが家にも気が付いたら「Googleアシスタント」が鎮座

 

昔も今もこれが配膳だった

 

■ボウリングのあとは「とんでん」へ

 

和食レストラン「とんでん」に最後に行ったのは新型コロナウイルスに見舞われる前だったからほぼ3年ぶりくらいか。孫たち3人(小6プラス小3)がわが家に遊びにきて、結局ボウリングをすることになった。

私は腰を痛めていたので務めたのは運転手役。遊戯・温浴施設「埼玉スポーツセンター」(所沢市)でボウリングを2ゲームやった。2018年に初めてやったが、あれからもう4年。ガターに落とさないだけの「コントロール力」も付いたようで、そこそこ楽しんだようだ。

まだ「ゆるゆるボール」しか投げられないが、あと何年か経てば大人顔負けの力が付いてきてパワーでピンをわっと押し倒すようになるだろう。子どもの成長は驚嘆すべきでもあり、親にとっては感動でもある。逆にジジババには身をもって老化を教えられるばかりである。

ボウリングの後卓球を1時間やり、疲れた身体を天然温泉に浸かった。お湯から上がったら既に真っ暗だった。スシローで食事を摂るつもりだったが、入った店は30分待ちだった。やむなく自宅近くの和食レストラン「とんでん」に向かった。7時を回っていたが、すんなり店に入れたのは嬉しかった。

 

和食処「とんでん」光が丘店

 

■「鮨、そば、丼」と和食なら何でもある

 

「とんでん」の本社は北海道恵庭市だが、埼玉県や千葉県、神奈川県、群馬県、東京都などにも店舗展開し、北海道を含め合計98店を運営している(執筆時時点)。「3世代家族が一家団らんを楽しめるようなメニュー構成」になっているのがこの店の特徴で、店内を見渡せば、子どもからお年寄りまでさまざまな家族の組み合わせが食事を楽しんでいた。

看板に「鮨、そば、丼」と書かれているように、和食なら何でもある。どんな要望にも応えられる。われわれが光が丘に越してきた25年ほど前も店は既にあった。ジジババと小学生の孫たちの組み合わせでも自然と溶け込める優しい空間だ。

創業は1968年。HPによると、最初は和菓子の販売からスタート。その後「うまくて安くて腹いっぱい」を合い言葉に「とんでん鮨」を北海道で開店。当時手軽に食べることができなかった鮨を、小さな子どもから大人まで、お腹いっぱいになるまで食べられるとしてブームになったという。

鮨だけでなく、そばや天ぷら、茶碗蒸しも同時に楽しめるメニューづくりに進化し、埼玉県に和食のファミリーレストラン第1号店をオープンした。

 

見掛けた配膳ロボット

 

■料理を安定的に運び、スタッフの業務負担軽減に貢献

 

そこで目にしたのがサービス・ロボットの配膳・運搬ロボット「Servi」(サービィ)。飲食店、ホテル、旅館、小売店などでスタッフとともに働くことを目的に開発されたロボットで、ソフトバンクロボティクスが2021年2月16日から日本で販売している。

ちなみに配膳・運搬ロボットはサービス業で使われ、汎用的な産業用ロボットとは区別されることが多い。ほかにレスキューロボット、医療用ロボット、清掃ロボットなどがある。

流通ニュースによると、Serviは高性能のセンサーを装備し、円滑かつ安全な移動を実現。前方死角なしで、人・物を滑らかに避け、料理などを安定的に運ぶ。

最短60㎝の幅を通過することが可能で、人とのすれ違いもスムーズ。360度どこからでも料理などの運搬物を載せられ、総積載量は最大30㎏。重い食器、複数の料理なども一度に配膳する。

店舗の業務効率化や顧客満足度の向上に加えて、主に配膳・下げ膳などにおけるスタッフの業務負担軽減にも貢献するという。

 

目の前を堂々と通過する

 

■21年は「配膳ロボット元年」

 

飲食業界では今、配膳ロボットの導入が急速に進んでいる。ブルームバーグによると、ソフトバンクロボティクスグループでロボット事業を統括する坂田大常務は、配膳を含むサービス・ロボットの潜在的な国内の市場規模は数千億円と試算し、2021年を「配膳ロボット元年」と位置付ける。

Serviを開発したのは米ベア・ロボティクス社で、同社に出資したソフトバンクロボティクスは日本国内で販売している。とんでん以外に焼肉きんぐやデニーズ、大戸屋などで稼働しているという。

飲食業界におけるサービス・ロボットの導入は日本が欧米などをリードしているという。人との接触を減らすニーズが強まる中、人手不足という課題が後押しするほか、欧米のようなロックダウン(都市封鎖)がなかったことも寄与しているようだ。

日本以外でサービス・ロボットの浸透が進むのは中国。日本システムプロジェクト(東京・新宿)は19年12月、中国の商業サービスロボットメーカーであるKeenon Robotics(中国・上海)とパートナーシップ締結し、同社製AI搭載配膳ロボット「PEANUT」(ピーナッツ)を国内で独占販売している。

既に焼肉の和民や高島屋玉川店内のレストランなどで導入済みだ。さらに中国ではさまざまなレストランなどで多数のPEANUTが運用中だという。

 

日経AIニュースをAIが伝えるGoogleアシスタント

 

■2男からプレゼントされたGoogleアシスタント

 

昨年末のクリスマスパーティーには大阪に住む2男ファミリー4人が加わって賑やかだった。我々夫婦2人、3男ファミリー5人の11人だった。

プレゼント交換で2男から送られたのがGoogleアシスタントだった。Googleが2016年5月開発した人工知能を搭載したバーチャルアシスタントで、携帯機器やスマートホーム機器の指示で動く。

2男の家や友人宅では既にAmazonのアレクサが活動している。わが家はサイバーセキュリティーにはむしろ警戒的であえて使っていなかった。

「OK グーグル。最新ニュースを知らせて」から「お休み。明日の天気は?」など生活全般にわたって質問すると、問いかけ次第だが、かなり的確に回答してくる。あまりにも的確すぎて気味が悪いくらいだ。

スマホを稼働機器としているためで、スマホ情報がGoogleに抜かれている可能性がある。深く考えるとやはり怖い。よってなるべく使わないでおこうということになる。しかし、それでは何のために導入したのかということにもなる。

警戒すべきだと思いながらも、「この程度ならまあいいか」などとつい妥協してしまう。つい便利さに負けてしまう。悔しいが仕方ないのだろう。まだ良い回答が出ない。この回答もGoogleで検索すればいいのか。

Googleアシスタントは使い手と双方向での会話が可能である。使えば使うほど利口になるようだ。恐ろしいが、その恐ろしさが魅力なのかもしれない。気が付いたら手放せなくなってしまうような気がする。

競合機種としては2014年11月に開発されたAmazon alexa(アマゾン アレクサ)やAppleのSiriやLineのClovaがある。いずれもAIアシスタントと呼ばれる。

音楽やニュースを聴いたり、アラームやクッキングタイマーとして使うことなどはAIアシスタント搭載機器単体でもできるが、「電気を点けて」というような指示には連携した家電が必要になる。

いずれにしても設定が必要なようで、まだそこまでは使っていない。今後、一般家庭はGoogleに支配されていくのだろうか。何の疑問も感じずに使っている人も少なくない。少なくとも、わが家では情報リテラシーを考えながら使っていきたい。

情報リテラシーが身に付くまでに肝心の頭のボケが始まっているかもしれない。人間とロボットの競争が既に始まっている。

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