きび餅@湯河原

 小梅堂(神奈川県足柄下郡湯河原町宮上)の元祖きび餅をいただいた。湯河原の老舗菓子屋の名物だそうで、島崎藤村ら著名人に愛されたお茶受けだという。きび粉と白玉で作った餅にきなこをかけた素朴なお菓子。柔らかで上品な味だ。

 湯河原はとにかく東京から近い。小田原と熱海の真ん中あたりで、いわば東京の奥座敷。熱海ほど俗化しておらず、それでいて泉質は上質。万葉集には日本3大古湯(愛媛県道後温泉、兵庫県有馬温泉、和歌山県南紀白浜温泉)と福岡県二日市温泉など選りすぐりの温泉が登場するが、東日本で唯一詠まれたのが湯河原温泉というのが自慢のようである。

 湯河原には新聞協会の湯河原荘があったので、昔は何度も行った。会社の同僚と行った記憶はないが、社外の友人たちとの会合や宴会を開いた。電車で1時間ほどだから、何か事件が起こってもすぐに職場に戻れるのが良かった。実際に戻ったことはなかったが・・・。

 湯河原荘はなかなか最近では見掛けない民家風の建物で、風情があった。温泉も静かで良かった。あそこで会合した仲間のうち2人が既に鬼籍に入り、1人は10年以上も所在不明。残る仲間も歳をとった。この湯河原荘が今年3月末で閉鎖されたことを、このブログを書いているときに知った。これも時代の流れか。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.