米ユーロダラー市場で苦戦するユーロネクスト・LIFFE

 米国債先物取引部門で米国市場に殴り込みを掛けた「ユーレックスUS」がシカゴ商品取引所(CBOT)の反撃を受けて返り血を浴びているのと同様に、欧州第2のデリバティブ取引所であるユーロネクスト・LIFFEの米ユーロダラー取引市場も、同取引をドル箱とするシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の逆攻勢を受けて、青息吐息の状態である。

 ユーロネクスト・LIFFEが米国でユーロダラー先物の電子取引を始めた当時、ライバルのCMEの同先物取引は依然、フロア取引が主体だったが、現在では85%がスクリーン取引に移行しており、取引手法に相違はなくなっている。

 ユーロネクスト・LIFFEを利用するメリットは電子取引による低コストだったが、その利点が薄れていることも出来高が振るわないことの理由の1つ。流動性が低下すればするほど、市場参加者のコスト負担も増え、ユーロネクスト・LIFFEを使う意味がなくなる。ユーロネクスト・LIFFEは今のところ、マーケットメーク(値決め)業務の縮小は発表したものの、上場廃止については否定している。

 ユーロネクストはパリ、ブリュッセル、アムステルダム、リスボンの各証券取引所を統合した証券市場。ロンドン国際金融先物取引所(LIFFE)を買収して「ユーロネクスト・LIFFE」と名乗り、欧州ではユーレックスに次ぐデリバティブ取引所となっている。

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