三井記念美術館

 神田で所要を済ませ、歩いて会社に戻ろうとして思い出したのが「三井記念美術館」(東京都中央区日本橋室町2-1-1三井本館7階)。昨年開館したばかりの美術館だが、一見の価値ありと勧められ、ずっと気になっていた。

 こういうものはなるべく早く実際に自分の目で見て、確認しておく必要がある。いったん気になりだしたら、気になりっぱなしで、どうにもならないからだ。平日の昼ごろだというのに、昼ごろであるがゆえにというべきなのか。とにかく、時間大尽たちで混雑していた。

 三井家と言えば、家祖・三井高利(1622~94)が伊勢松坂から息子たちに指示を出し、延宝元年(1673)に江戸本町に呉服反物を商う「越後屋」を開店したのが始まり。それが繁盛し、京都、大阪でも呉服屋と両替商を出店し、事業拡大。明治以降は三井銀行、三井物産などを設立し、財閥グループを形成したのはご存知の通り。

 江戸時代以来、300年余りにわたる三井家の歴史の中で収集され、伝えられてきた美術品約3700点を所蔵しているのがこの三井記念美術館である。日本橋三井タワーに隣接している。

 ちょうど開館記念特別展Ⅱ「日本橋絵巻」を開催中で、中でも圧巻は神田から日本橋南岸までの通町筋を描いた全長12メートルにも及ぶ「き代勝覧」(ベルリン東洋美術館所蔵)。描かれているのは1671人。よくもまあ、これだけ細密に描いたものだ、と感心した。

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