六甲全山”分割”登山(1)

 神戸の”歩くスポーツの祭典”が毎年11月の第2日曜日と23日に行われる「六甲全山縦走大会」。早朝から夜半にかけて、六甲山系の西から東の端まで50数キロを歩き通す過酷な山歩きだ。

 神戸に着任した最初の去年、「神戸に来た以上・・・」と色気を出したが、話を聞いてみると、よほどの練達の士で無ければ到底無理。体がとても付いていけないと判断し、さっさと諦めた。それが正解だったと思う。

 今年はどうするか。もちろん無理だろう。しかし、どれほど大変かを身にもって確認しておく必要があると判断した。それでスタート地点から歩くことにした。普段、平地しか歩いていない人間が、しかも運動しない暦1年で心肺機能の低下が著しい人間が、起伏の激しい山道を歩くのだから、結果は明らか。身をもって知ることとなった。

須磨浦公園(海抜ほぼ0m)
鉢伏山
旗振山(253m)
鉄拐山(234m)
高倉台
栂尾山(274m)
横尾山(312m)
須磨アルプス
東山(253m)
妙法寺

 全部で10.2キロ。初っ端から急坂で、いきなり息切れ。鉢伏山からロープウエーで帰ろうと思ったくらい。それでは男が立たないと思い直し何とか旗振山を”踏破”。鉄拐山を過ぎると、一気に下がり、高倉台の団地に降りた。雨も降ったのでもうここでリタイアと思った。

 しかし、どういうわけか、団地の中の花を眺めていたときに、反対側から歩いてきたグループと遭遇。その中の1人は偶然にも知人。言葉を一言二言交わしただけだったが、そこで頭をもたげたのが「ここで止めるのもまずいな」。続行を決意した。

 高倉団地の先に控えていたのは栂尾山の400段の階段。これは辛かった。しかし、後戻りもできなかった。雨も上がった。横尾山を過ぎると、須磨アルプス。通称「馬の背」は幅60~80cmの岩場の尾根。時折、ウグイスがホーホケキョとのどかに鳴く。ここまで上ってきて良かった・・・。東山を降りると、横尾団地、そして妙法寺の市街地。

 山ばかりを歩くのかと思っていたら、高倉団地といい、横尾団地といい市街地も歩く。妙法寺は山と山の谷間に開けた住宅街だった。たったこれだけで4時間も掛った。汗びっしょりになって、とにかくこれにてストップ。

 

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