激化する排出権取引の”市場化競争”

 地球温暖化を防止するため、先進国に温室効果ガスの排出削減を義務付ける京都議定書が2月16日、発効した。この結果、日本など先進国は2008-12年の間に割り当てられた温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素など6種類)の目標削減量を達成することが義務付けられた。

 京都議定書には排出量の5.2%削減とともに、排出削減量を他国と取引する「京都メカニズム」も盛り込まれており、この排出権取引制度が新たな”資源”として脚光を浴びている。国内の削減努力だけでは目標達成が困難な先進国が不足分を補うために、他国から排出権を購入する必要に迫られるからだ。

 既にそれを見越した排出権取引市場が欧州では今年1月から始動。市場創設の前からも、企業間同士の相対取引も行われている。さらに、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)ではそれよりかなり前から、先物の形で市場取引が行われていた。

 日本で排出権取引の音頭を取っているのは環境省。取引に参加する企業を公募、金融機関なども取引に参加できる仕組みを構築した。東京工業品取引所のような公的取引所も市場取引の立ち上げに名乗りを上げており、有望資源の排出権をめぐる”市場化競争”は激化する一方だ。

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