氷冠の消えたキリマンジャロ

 10年ほど前、東アフリカ・ケニアの首都ナイロビから、インド洋岸の港湾都市モンバサまで飛行機に乗ったことがある。その際、機上からアフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ山(標高5,895メートル)を眺めた。かなり遠くだった。聳え立っているのは隣国タンザニアだ。その時は8月だったが、山頂に氷冠があったかどうかは覚えていない。おそらく、あったのだろう。

 2年前、国際協力機構(JICA)のタンザニア事務所長氏からもらった年賀状には「ナイロビに出張に行った際、飛行機から眺めたキリマンジャロには雪がなかった。地球温暖化が速いペースで進行しているようです」と書かれていた。

 今年3月14日、英国の環境団体「クライメート・グループ」がキリマンジャロ山頂の氷冠がほとんどすべて消滅したことを示す航空写真を公表したとのニュースを読んで昔のことを思い出した。山頂付近の氷冠はほとんど解けて、噴火口がくっきりと姿を現している様子が航空写真に写し出されているという。

 米国の専門家らが3年前、2020年までに氷冠の消滅を予想していたが、予想を上回る速さで地球温暖化が進行していることをう裏付けた形だ。同グループは9月に東京でも温暖化に関する写真展を開催するようなので、ぜひ自分の目で確認したい。

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東京日誌

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