オンリーワン経営

 シャープの町田勝彦社長(62)が掲げる経営方針は「オンリーワン経営」。オンリーワンを積み重ねることによってナンバーワンを目指すやり方だ。町田社長が11月16日、日本記者クラブの昼食会で語ったオンリーワン経営のポイントは3つ。

・「選択と集中」=社長に就任した1998年に、規模の大きかった「半導体事業」をやめて、あえて小さかった「液晶事業」を選択した。小さかったが、世界で1、2位だった。半導体は20番目くらい。その事業が会社にとって、またグローバルに見て本当に強いかどうかが選択基準の1つだ。やめる事業の人たちのモチベーションをどう高めるかが最大の課題だった。半導体開発への力は入れるが、生産はあまりやらない。彼らの技術を液晶に使った。

・「明確なビジョン」=社長としてのビジョンを明確にし、社員と話し、彼らとベクトルを合わせることに大変な力を注いだ。なぜ、そうしなければならないかを説明して歩いた。2001年正月に「05年までにブラウン管TVを液晶TVに換える」と宣言し、そのための戦略をスタートさせた。今年は台数ベースで両者が逆転した。これほど速い速度で普及した技術はない。液晶技術が日本の産業に与えた影響は甚大で、材料、パネルなどを含め10兆円は超えている。

・「日本でのモノづくり」=日本で製造業を極めたい。これを宣言した結果、社員の間に、無いものを作る機運が出てきたほか、独自技術を大切にする雰囲気に変わった。また、新しいものに立ち向か勇気が生まれた。日本にこだわってやっていると、日本産業自体が強くなってきた。

 最後に町田社長がプレス側に付けた注文が振るっていた。「同じような記事があまりにも多過ぎる。人とは違った、新しい切り口で、オンリーワン的な記事を書いて欲しい」。

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