NYMEX株10%取得はGAに軍配か

 ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)株式の一部売却をめぐる交渉が最終局面を迎えている。民間証券会社のゼネラル・アトランティック社(GA)とシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)がしのぎを削っているが、ここへきてGAが買収金額を引き上げた結果、どうやらGA側に軍配が上がりそうな気配である。

 NYMEXとGAは昨年11月、NYMEX株式10%を1億3500万ドルで売却することで暫定合意したが、一部NYMEX会員から安過ぎるとの異議が唱えられたことで、話がこじれた。そこへ、同12月、全米最大の先物取引所であるCMEがNYMEXへの資本参加に意欲を表明したことで、俄然、買収合戦の様相を見せていた。

 NYMEXとCMEの交渉はCMEの電子取引システムであるグローベックスの利用コストをめぐって決裂したもよう。一方、GA側は買収価格を1億7000万ドルに引き上げ、交渉で優位に立ったといわれる。

 GA(本社コネティカット州)はニューヨーク証券取引所(NYSE)が先に買収した電子取引会社アーチペラゴ・ホールディングス社の株式を保有している。NYSEは2月に上場する予定で、その暁にはGAはNYSE株を約7%保有する見込み。

 CMEは金融先物やコモディティーで強力な商品を持っているが、エネルギー関連の商品は上場しておらず、NYMEXの独占を許しているのが実情。これだけ石油価格が高騰し、流動性が高まっている以上、何とかしてエネルギー商品の絡みたいのは正直なところ。NYMEXへの資本参加が不可能になった場合、自前のエネルギー先物商品の上場に動くとの観測がもっぱらだ。

 

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