神戸暮らし

 「三宮神社の北側から大丸神戸店、元町(もとまち)商店街にかけては、かつて、西国街道の要衝として、茶店や呉服屋が並ぶ街道筋だった。そのまま商店街に発達し、開港とともにヨーロッパの文物が入り込んだ。当時からハイカラの先端を歩み、神戸のファッションをリードしてきました。元町Ⅰ番街から元町6丁目商店街まで全長1.2kmのアーケードに老舗が軒を連ね、神戸の良さがもとまちにあります」(元町5丁目商店街の掲示板)

 「東京暮らし」を15年ぶりにひとまずたたみ、「神戸暮らし」をGW明けから本格始動した。見るもの、聞くものすべてが新鮮で、毎日が新しい発見の連続だ。もちろん楽しい発見もあれば、辛い発見もあるのは世の常。知らないほうが良かったケースもなきにしもあらずだ。

 三宮の商店街(三宮センター街と三宮本通商店街)が最も華やかで人出も多い今風の商店街だとすれば、元町商店街は伝統的な商店街。開港当時、神戸に移り住んだ外国人たちのご用達だった老舗が多く、全国展開しているお店の本店も少なくない。

 折角なら、最も神戸らしい場所に住みたいものだ。先々代が明治時代の半ば、元町で呉服屋を営んでいたという。連休中、生家で私物の整理をしていた母が見つけてきた当時の住所は「元町通5丁目21番地」。これまで、何度も聞かされていたこともあってか、決めた家も元町通5丁目。これは全くの偶然だ。

 何とも因縁めいたものを感じている。物件は幾つも見たものの、どうも「元町」が刷り込まれていたようで、気づいたら、「元町」を選んでしまっていた。新しい職場からなるべく遠い物件を探したはずなのに、何と「歩いて3分」。

 知人の言葉がふるっている。「神戸勤務はすばらしかった。3ない主義ですよ。東京では味わえません」。「上司がいない(自分がボス)。通勤がない。おまけに女房もいない」。単身赴任は気分的には楽な半面、すべてを自分でこなさなければならないのがちと辛い。さて、どうなることやら。

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