「尼崎スポーツの森」

 ヤマハ発動機がプールも作っていたとは知らなかった。オートバイやボートを作っていることは知っていたが、国内プールで40%以上のシェアを有していると聞いて驚いた。今や、企業名から、その企業の製品を特定することは至難の業だ。

 プールに使っているのがボート素材のFRP。水質維持のために使用される塩素剤にも耐性のある素材で、軽くて強いのが特徴。安全、衛生、快適を目指したプールづくりが評価され、とりわけ学校プールでは50%以上のシェアを誇るという。

 このスポーツ施設「尼崎スポーツの森」は先に、「尼崎21世紀の森構想」の中で触れたが、この「尼崎スポーツの森」で15日、ヤマハのプール事業に関するセミナーが開かれた。そこは50mの国際公認8コースと25mの国内公認12コースを備えた本格プールだった。冬はアイスリンクに変わる。

 ヤマハのこの日のセミナー開催はプール事業の周知度向上を狙ったものだが、プールメーカーであるとともに、プール施設の管理運営、プールに関する情報の発信、文化の育成といった分野へも事業展開し、「プールメーカー」から「プール総合企業」への飛躍を目指すという。

 公共事業でありながら、主導するのが民間企業である事業をPFI(Private Finance Iniciative)事業と呼ぶそうだが、「尼崎スポーツの森」は兵庫県で初めてのPFI事業とか。尼崎市と言えば、「工業化時代の悪環境」の権化のような存在だが、この「尼崎21世紀の森構想」によって、「脱工業化の象徴」に生まれ変わることを目指している。

 まだ、この「森」周辺は緑がほとんどなく、「森」と呼ぶことには強い違和感を覚える。県や市が言うように、100年後には本当の森が出現するかどうか。時間の経過を待つしかないが、何もやらないより、やるほうがましなことは決まっている。

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