神戸ポートアイランド4大学シンポ

  連休2日目は「神戸ポートアイランド4大学シンポジウム」。朝日新聞社の主催で、神戸市と神戸商工会議所が後援。会議所3階の神商ホールで開かれた。副題は「連携による大学の可能性を探る」。

  神戸の人工島ポートアイランドが完成した4半世紀前の1981年(昭和56年)には博覧会「ポートピア81」が開催され、大盛況だったという。記憶には残っていないが、地元では大変な騒ぎだったとか。今年2月には島の先に神戸空港が開港したばかり。

 この「ポーアイ」に神戸学院大学、神戸夙川学院大学(仮称)、兵庫医療大学(仮称)が新たに進出し、既に立地している神戸女子大学・神戸女子短期大学を交えて4大学が集中。4大学の正門が100m以内にあり、日本でもこんな地域はないという。

 3大学進出を知らなかった6月。ポーアイ西岸を歩いていて、建設ラッシュにびっくりした。コンテナヤードが転用された。しかも少子化時代の真っ只中である。基調講演した作家の堺屋太一氏が多少の皮肉を込めながら、「極めて野心的で冒険的なチャレンジ」と表現したのも当然だ。

 テナントヤードで成功し、当時世界1を誇った神戸港も今や20位以下。釜山や上海に大きく水をあけられた。コンテナ船が大型化し、港湾設備が追いつかなかったからだ。震災がそれに拍車を掛けた。深海化も遅れた。

 堺屋氏に言わせれば、ポーアイは近代工業社会のシンボルだった。それが沈んだ。時代も知恵が価値を生む「知価社会」に転換。神戸を中心に日本はこの世界の流れに乗り遅れた。これをどう回復するか。

 このポーアイに大学が集積するのは皮肉である。しかも少子化時代。並みなことではダメ。「相当思い切った手を打たなければどうにもならない」と手厳しい。4大学のお手並みが楽しみである。

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