今津郷・西宮郷

　西宮市と言えば、甲子園球場のある街として天下に名高いが、もう1つ全国区なのが「灘五郷」のうち「今津郷」と「西宮郷」の２つ。魚崎郷、御影郷などと並んで日本有数の清酒の生産地だ。六甲からの寒い気温、酒造りに適した宮水、酒米・山田錦、丹波杜氏など酒造りの要素が揃っているからだ。

　「今津郷」は同市の東部、「西宮郷」は西部。今津郷で一番目立つのは何と言っても「大関酒造」。同社の建物群があちこちに点在し、存在感を際立たせている。ほかに「白雪」と「扇正宗」。

　「西宮郷」では「日本盛」だろう。ほかに「白鷹」や「白鹿」である。多聞、灘自慢、喜一、金鷹、寿海、金鹿、島美人、富貴、灘一。

　これら各社を串裂きにしているのが「酒蔵通り」。日本盛は酒蔵通り煉瓦館、白鷹は「白鷹禄苑・竹葉亭」といった酒自慢・料理自慢の館もあって、酒肴を凝らしている。ついでに「今津灯台」も見物した。灘の酒を樽廻船で江戸に運んだときに使用されたが、プレジャーボートの基地となった今も現役を通しているそうだ。