やきとりの元祖「八栄亭」

 新開地と言えば、神戸のソープ街「福原」と同義語だから、「足を踏み入れるな」とのきつい忠告を受けていたが、そう言われれば言われるほど覗いてみたくなるのが人情。東京の「ギンレイホール」に勝るとも劣らぬ名画座「パルシネマしんこうえん」があるのも新開地だ。

 過日、土地の事情通をコンダクターに仕立て、「新開地B級グルメツアー」を敢行した。その日最初に回ったのがこの「八栄亭」(やえてい、神戸市兵庫区新開地2丁目6-15 )。びっくりするほどの超有名店で、どういうわけか上店(うえてん)と下店(したてん)に分かれている。

 店自体が坂の上に乗っかった格好で立地しており、形は船。入ったのは上店。店の中に入れば、カウンターだけで、目の前で焼いている。窓も船室のようで、ちょっとした船上気分を味わえるのが面白い。

 何でもおいしいようだが、とりわけ、首の部分だけを使った「皮」の評価は高い。大正元年の創業時から受け継ぐ秘伝のタレでいただく。告白すると、私は基本的に鶏はNG。しかし、必要に迫られて、消極的ながら、焼き鳥だけは受け入れている。何事も勉強。

 「八栄亭」→「大谷」(貝のつぼ焼き)→「夫婦ぎょうざ」。これぞ、新開地入門コース。しかし、進級するのは大変そう。

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