神戸製鉄所第3高炉

 神戸製鋼所が保有する神戸製鉄所(神戸市灘区灘浜東町2)の第3高炉を見学した。1983年4月に稼働を開始したのち、1995年1月の阪神・淡路大震災で一時全面休止に追い込まれながら、75日後には再稼働に漕ぎ着け、その後今年11月1日まで、合計で24年7カ月にわたって働き続けてきた。主に自動車用の高級特殊鋼を生産している。

 鉄鉱石とコークスを燃やして、鉄の元になる「銑鉄」を製造してきたが、高炉内部の耐火レンガが消耗し寿命となったことから、高炉本体の鉄皮や内部の耐火レンガの取り替え作業を実施。改修工事としては45日間という国内最短で完了、12月16日には再び火入れする予定。

 高炉は一旦火入れすれば、よほどのことがない限り、休止することはない。休止するときは操業を止めるときだ。新第3高炉は炉口径、炉腹径を広げ、炉内容積も国内で稼働する28基の高炉の中で最小の1845から2112に拡大し粗鋼生産の上方弾力性を確保したほか、炉体形状の最適化による通気性改善効果により燃料原単位の低減を可能にした。

 高純度のカーボンレンガの採用や冷却板の増設により炉体冷却の強化を図り、これまでを上回る25年以上の連続稼働を目指しているという。少なくても、25年間は炉の内部に入ることはできないわけで、見学できたのは45日間の改修工事中だからこそ。神戸にいる短期間のうちに炉内部に入れたのはまさに僥倖としか思えない。
①炉頂(炉底から35m)


②羽口

③炉本体の外

④ここから炉内に入った

⑤外から高炉を見る

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