金刀比羅宮


 思い立って5日、「讃岐のこんぴらさん」に参詣した。正式には金刀比羅宮(ことひらぐう)=香川県仲多度郡琴平町=と言う。神戸から200kmほど。阪神高速3号線→第2神明→神戸淡路鳴門自動車道→高松道を経て善通寺ICで高速を降りると、あとわずか。「津田の松原」SAで休憩しただけで、3時間ほどで着いた。よく晴れて、穏やかな1日だった。

 急にこんぴら行を思い立ったのは「金刀比羅宮書院の美」展が開催されていたため。同宮の誇る丸山応挙や伊藤若冲の襖絵を観たかった。なかなか観られない作品をしかも現場で観られるのだから、こりゃ行かないわけにはいかない。しかも、行こうとすれば、行ける距離だ。チャンスは前髪を掴め、である。

 とにかく、こんぴらさんの本宮は山の上。海抜251m。ひたすら石段を登る。本宮まで785段、厳魂神社(奥社)までだと1368段あるという。「大物主神」と崇徳天皇を合わせ祀る。江戸時代はお伊勢さんと金比羅さんに参詣するのが一生の夢だったといわれた。森の石松も参詣した。海上守護の神様で、漁協の信仰が篤いのは道理だ。

▼表書院
金毘羅大権現の別当が来客を応接する場として用いた客殿。
「鶴の間障壁画」        丸山応挙  1787年制作
「虎の間障壁画」        丸山応挙  1787年制作
「七賢の間障壁画」       丸山応挙   1794年制作
「山水の間・二の間障壁画」  丸山応挙   1794年制作
「山水の間・上段の間障壁画」 丸山応挙   1794年制作
▼奥書院
江戸時代に建てられた、金刀比羅宮の前身である金毘羅大権現の別当の邸宅。通常は非公開。
「花丸図」             伊藤若冲     1764年制作
「柳の間障壁画」        岸岱(がん・たい) 1844年制作
▼白書院
奥書院に隣接する1875年建造の建物。美術家の田窪恭治が現在、12間を超える襖と長押に、琴平山に自生するヤブツバキを題材にした障壁画を制作中だ。
「椿書院障壁画」田窪恭治  2005~07年制作

 不思議な民謡「金比羅船々・・・」は知ってはいるが、何を祀っているのかまでは知らなかった。一流絵師、丸山応挙に襖絵を頼むなど、こんぴらさんの財力は大したものだったことをうかがわせる。 東京虎ノ門には「虎ノ門金刀比羅宮」があることは知っていたが、京都にも「安井金刀比羅宮」があるという。こんぴらさんの総本山だそうな。

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