朝日のあたる家

 阪神淡路大震災から16年となった17日。東京の今朝も寒かった。手がかじかんで指先が痛かった。もう何十年も東京に住んでいるが、こんな風に感じたのは初めてだ。それほど今年は寒気が厳しいということなのだろう。

 駅への道を歩きながら、家が朝日に輝くのを陶然と眺めた。これだけの朝日の輝きを見たのは久しぶりだ。それで急に、「朝日のあたる家」という言葉が思い浮かんだ。同時に若い時によく聴いたアニマルズの「The House of the Rising Sun」(1964年6月発表)を思い出した。

 ウィキペディアによると、この曲の原曲はアメリカの伝統的なフォークソングで、娼婦に身を落とした女性が半生を懺悔する歌だという。歌詞の内容は理解できないながら、情念に満ちた暗い曲調には強く引き付けるものを感じていた。

 「The House of the Rising Sun」と呼ぶ娼館が19世紀には実在したという。1937年にジョージア・ターナーという16歳の少女がこの歌を歌ったほか、1960年にはジョーン・バエズもレコーディング。1962年にはボブ・ディランがデビューアルバムで歌っている。私はアニマルズでこの曲を知った。

 最近はちょっとしたことでも連鎖的にいろんなことを思い出す。楽しかったことや苦しかったことも、嬉しかったことや悔しかったことなど、次々と思い浮かぶ。歳を重ねてきたことのなせる技だが、思い出すのは楽しい思い出に限定してもらいたい。脳はどういう構造になっているのだろうか。

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