平牧・金華豚

食堂はショップの右手

芸術観賞はとにかく疲れるし、腹が減る。六本木から自宅に帰るにはどうしても1時間ほどかかるので、ミッドタウンで夕食を取ることにした。レストランだらけで、ここにいる限り、日本が不景気だとは思えない。どの店も行列ができている。並んでまで食べたくはなかったが、外に出て別の店を探し回るのも億劫だった。

入ったのは平田牧場(山形県酒田市)のミッドタウン店。要はとんかつ屋だが、そんじょそこいらのとんかつ屋ではなく、自分の牧場で生産した豚を使った直営店。とっかつだけではなく、豚を使用した豚料理や焼肉・しゃぶしゃぶ、生肉を加工したソーセージや生ハムも提供。要は豚の生産・加工・販売会社だ。肉料理=牛肉だったのを、豚を独立させた点が新しい。豚料理自体はもちろん、これまでもあったが、豚に牛肉並みのステータスを与えることに成功したとでも言えばよいのだろうか。

牛肉も神戸ビーフを筆頭に松坂牛、近江牛など各種ブランドが乱立しているが、豚肉の世界でも鹿児島黒豚などブランド化が進んでいる。平田牧場の育てたブランドが「平牧三元豚」(ひらぼくさんげんとん)と「平牧金華豚」(ひらぼくきんかとん)。平牧三元豚はランドレース、デュロック、バークシャーなど、3つの純粋種を交配して作り出した豚に、独自の指定配合飼料を与えて飼育した肉。

平牧金華豚は、中国で名高い浙江省金華地区原産の金華豚を交配した豚で、平田牧場独自の資料と育成法で作り出した最高級らしい。日本国内で生産される約1600万頭のうち、平牧純粋金華豚は1000頭に満たないとか。幻の豚と呼ばれるらしい。どうやら、最高級が「平牧純粋金華豚」で次が「平牧金華豚」、その次が「平牧三元豚」の順番らしい。頼んだ「平牧金華豚御膳」のヒレかつの量が4切れしかなかったのは解せなかったが、どうも生産量そのものが少ないのかもしれない。

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