気になる「米朝合意」

今日から3月。東京・練馬でも15cmほどのかなりの積雪があった前日とは打って変わって、朝から青空が広がった。天気予報によると、最高気温は15度にも上昇し、3月下旬の暖かさになるという。ランチタイムに外に出た同僚によると、「ポカポカまでとはいかないが、かなり暖かい」ようだ。一気に春が来ることはないにしても、春が近くまで来ていることだけは確かなので、喜びたい。

昨夜(2月29日23時14分)に携帯の号外速報が鳴った。「米国務省は、北朝鮮が核実験、長距離弾道ミサイル発射、寧辺でのウラン濃縮を含む拡活動を一時停止することに同意したと発表した」(ワシントン時事)。

米朝発表の骨子は以下の通り。

●北朝鮮は核実験と長距離ミサイル発射、寧辺でのウラン濃縮を含む核活動を中断
●北朝鮮は国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れ
●米国が北朝鮮に24万トンの栄養食品を提供するための最終合意目指し近く協議
●6カ国協議共同声明履行の意思を再確認
●米国は対北朝鮮制裁が人民生活などを狙ったものではないことを明確化

北朝鮮の核濃縮活動の一時停止は喜ばしいが、手放しで喜べない。何せ、同国には”前科”があるからだ。2007年1月にブッシュ共和党政権のヒル国務次官補が金桂冠外務次官とベルリンで会談し、2月の6カ国協議では核放棄を定めた共同文書に調印。7月には寧辺核施設を稼働停止し、08年6月は寧辺の原子炉冷却塔を爆破し、10月には米国からテロ支援国家の指定解除をまんまと取り付けた。

それなのに、09年4月には弾道ミサイルを発射し、6カ国協議からも離脱した。そして5月には2度目の核実験を実施したのだ。その後は一段と好戦的になり、10年3月には韓国哨戒艦を沈没させ、同11月には延坪島を砲撃した。

米朝間の交渉は11年7月にニューヨークで高官会談が実現した。10月にはジュネーブでも行われた。金正日総書記が12月に死去したが、その後も米朝間の交渉は続いており、今回の合意となった。

今回の合意については取りあえず、「歓迎」する声が強いが、当然のことながら、合意が履行されるかどうかが最大の関心事だ。合意破りは北朝鮮のお家芸だからだ。前回の合意でまんまと騙された米共和党側には、とりわけ気持ちが強いはずだ。

下院外交委員会のロスレーティネン委員長は声明で、「破綻した過去の合意とそっくりだ。北朝鮮の二枚舌を思い出すべきだ」と批判。ほかにも「信用できない」(バートン議員)、「北朝鮮には何度も騙されている」(ロイス議員)と米朝合意には懐疑的だ。

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