プーチン”返り咲き”大統領

プーチン大統領(NHK「ニュースウオッチ9」から)

 

ロシアのプーチン首相が4日投開票の大統領選挙で6割以上を得票し、第1回投票で当選を決めた。2000年から2期8年大統領を務めたプーチン氏が4年ぶりに返り咲く。大統領の任期は08年に憲法改正で4年から6年に延長されており、制度上は2期12年、2024年まで務めることが可能だ。

首相時代も実権を握っていたと思われるから、最長24年も権力のトップに座ることになる。独裁者との見方も成り立つが、世界には上には上がいる。ジンバブエのムガベ大統領は32年で記録更新中だ。リビアの最高指導者だったカダフィ大佐は42年、ムバラク・エジプト大統領は30年と長かったが、2人とも引き下ろされた。長ければ良いというものでもなさそうだ。

メドベージェフ現大統領は、4年前まで自分が就いていた首相ポストに回ることになり、絵に描いたような政権のたらい回しだ。流石、ロシアらしいと思うが、日本のようなナイーブな民主主義国家は世界では極めて少数派で、ロシアのような”独裁強権国家”のほうがむしろ普通なのが世界政治の現実だとすると、そんなに驚くことでもないのだろう。

日本に住んでいると、どうしても政治ボケ、平和ボケから抜け出せないが、世界の現実は日本の現実と随分かけ離れていることが分かって勉強になる。広大で、かつて米国と肩を並べたことのある大国ロシアにとっては彼のような強力な指導者が必要なのかもしれない。都市部を中心とした知識層には強権的な体質が嫌われているものの、ロシアという国自体が強権なくして存続できないとの指摘もまんざら当たっていなくもないのではないのかもしれない。

個人的な好味からすれば、中国といい、このロシアといい、どうも好きになれない。好きになれないからと言って、無視するわけにもいかない。このロシアともどうしても付き合っていかなければならないのが日本の置かれた立場だ。好きな人とだけ付き合う自由が許されないのが世界の現実だ。せめて個人レベルだけでも、好きな人とだけ付き合いたいものだ。

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