『対中戦略』

「無益な戦争を回避するために」

「無益な戦争を回避するために」

 

書名:『対中戦略』無益な戦争を回避するために
著者:近藤大介(『週刊現代』編集次長)
出版社:講談社(2013年4月15日第1刷発行)

日本政府が沖縄県・尖閣諸島を国有化したのが2012年9月11日。ちょうど丸1年だ。日本のメディアは例によって中国の主張を事細かく報じ、まるで中国メディアのポーターみたいだ。

11日付日経朝刊によると、中国の国営中央テレビは、尖閣諸島周辺を巡航する中国海警局の監視船上から、海上保安庁の巡視船と対峙する様子を繰り返し実況中継したという。国営新華社通信も「領土主権を巡り、中国に態度の軟化を期待するのは空想だ」と強調したとか。

それにしても、日本のメデイアはなぜもこう、中国側の反日報道を丁寧に報じるのか。中国メディアは日本メディアの報道を無視しているのに。利敵行為としか思えない。日本の立場よりも、中国の立場のほうが重要なふうに思わせる報道内容のように思えてならない。

本書の著者、近藤大介氏は『週刊現代』編集次長。24年間の中国報道のキャリアを持ち、現地取材に踏まえた内容ゆえに、説得力がある。加えて、週刊誌の記者だから、読みやすく、面白い。読者を喜ばせるツボを知っている。週刊誌からもこういう人材が出て来たのは喜ばしい。

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